「超知能」到来は2028年にも? OpenAI CEOアルトマン氏 AIの民主化と国際協調を提言

2026/02/26 更新: 2026/02/26

米オープンAI(OpenAI)のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、インドで開催された「グローバルAIインパクト・サミット」に登壇し、人工知能(AI)が2028年末までに「スーパーインテリジェンス(超知能)」の初期バージョンに到達する可能性があるとの衝撃的な予測を明らかにした。アルトマン氏は、急速な技術進化に伴い、人類は「個人のエンパワーメント」か「権力の集中」かの重大な選択を迫られていると警鐘を鳴らした。

アルトマン氏は、過去1年余りのAIの進化を「高校数学に苦戦していたレベルから、理論物理学で新しい知見を導き出すレベルへの飛躍」と総括。現在の進化の軌道が継続すれば、2028年末までに真の超知能の『初期バージョン』に到達する可能性があり、その開発曲線のどこかの時点において、トップクラスの科学者や経営者をも凌駕する業務遂行能力を持つようになると述べた。

同氏は「世界中の知的生産能力の大部分が、人間の脳内ではなくデータセンターの中に存在するようになる」と指摘。知能のあり方が根本から変容する近未来の姿を提示した。超知能時代の到来に備え、アルトマン氏はオープンAIが掲げる3つの指針を強調した。

アルトマン氏は超知能時代の到来を見据え、オープンAIが掲げる安全保障上の3つの信念を強調している。

第一に、AIの民主化である。技術が一部の勢力に独占されることは「破滅」を意味するとし、全体主義的な支配と技術的恩恵のトレードオフを拒絶、個人の主体性を拡張すべきだとの立場を示した。第二に、社会全体のレジリエンス(回復力)の構築だ。AIモデル単体の安全性を高めるだけでは不十分であり、病原体の生成といった悪用に対して社会が一体となって防衛・対応できる体制の整備が不可欠であると訴えた。第三に、反復的な展開の重要性を挙げた。技術を段階的に社会へ提供し、人々が適応し議論する時間を確保することこそが、予測不能なリスクへの最良の備えになるとの考えを示した。

経済面では、医療や教育などのサービスが劇的に安価になる一方で、雇用の「ディスラプション(破壊)」は避けられないと明言した。「多くの面で人間がGPUの能力を凌駕することは困難になる」と語る一方、人類は常に新たな価値創造の道を見出してきたとして、長期的には楽観的な見解を示した。

サミットの舞台となったインドについて、アルトマン氏は「ソブリンAI(主権的AI)」構築へのリーダーシップを高く評価した。現在、インドでは毎週1億人以上がChatGPTを利用し、その3分の1を学生が占めるという。また、AIエージェント「Codex」の市場としても世界で最も急成長しており、世界最大の民主主義国家であるインドがAIの未来を形成する中心地になるとの期待を寄せた。

最後にアルトマン氏は、核エネルギーを管理する国際原子力機関(IAEA)になぞらえ、AIのための国際調整機関の設立を提言し「我々は数年以内に、人々に力を与えるか、それとも権力を集中させるかの選択を迫られることになる」と結び、国際社会の一致団結した対応を呼びかけた。

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