奇観

そびえ立つ土柱の頂に岩の帽子 イタリアの大自然

イタリア北部ボルツァーノ自治県(サウス・チロル州)でみられる珍しい地形現象があります。それは、竹の子のように土の柱が地面を突き抜けて高くそびえる「土柱」。柱の頂に岩がのった風景は、とても幻想的です。レノン(Renon)地区に広がる土柱の形が最も整っているので、「レノンの土柱」として広く知られています。

土柱は氷河期の後、モレーン(氷河の流動によってもたらされた岩屑などの堆積土)の侵食作用によって出来上がったもの。土柱は乾燥した状態では石のように硬く、一旦雨が降ると泥のように柔らかくなり侵食されます。長い年月を経て、今のような奇観を呈するようになりました。

ドイツのカメラマン、キリアン・ションバーガー(Kilian Schönberger)さんが霧の中で撮った「レノンの土柱」はまるで別世界のよう。大自然の不思議さを代表する一枚です。

(翻訳編集・豊山)

関連記事
米ユタ州とアリゾナ州にまたがるコロラド川の途中にあるパウエル湖(Lake Powell)で、泳ぐフクロウが発見されました。2016年、ここを訪ねたデリック・ズック(Derrick Zuk)さんと彼の友人が、あまりにも珍しいので映像に収めました。
海の生物たちは、どのようにして眠るのでしょうか?スイスのカメラマン、フランコ・バンフィ(Franco Banfi)さんは、カリブ海の水深約20メートルあたりで、垂直に立って眠る10頭のマッコウクジラを発見しました。
静寂の中に独特の景観を織りなす日本庭園。禅の思想が凝縮されたその美しい空間が、アルツハイマー患者を落ち着かせるという報告がある。ナショナル・ジオグラフィック・ボイスが伝えた。