ミャンマー、中国製戦闘機2機が墜落 3人死亡 事故多発で輸入先変更

ミャンマー中部ミンブ県で16日、J−7戦闘機2機が濃霧の影響で墜落、操縦士2人と住民1人が死亡した。同国で繰り返される墜落事故に対し、中国製軍用機の安全性への懸念が高まっている。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が17日報じた。

ミャンマー軍当局の発表によると、同日朝、戦闘機4機がマグウェ(Magway)空軍基地から離陸し、そのうち2機が帰還した。1機は霧による視界不良のため、地上の電波塔に衝突し、近くを飛行していたもう一機も巻き込まれ、両機とも墜落したという。

操縦士の1人は座席の位置で死亡、もう1人はパラシュートで機内から脱出したが、着地時には死亡していた。また、落下した機体の破片に直撃された11歳の少女は搬送先の病院で死亡した。

中国製軍用機の堕落事故が多発している。今年4月、1機のJ−7戦闘機が機械の故障により訓練飛行中に墜落し操縦士1人が死亡した。昨年6月、兵士や家族を含む122人を乗せた中国製Y8型輸送機が墜落し、生存者は見つからなかった。

J-7は冷戦時代の戦闘機で、中国が旧ソ連の「MiG(ミグ)-21」戦闘機の部品をもとに製造した。ミャンマーは1990年代初めに、中国からJ-7型戦闘機60機を購入した。しかし、多発する墜落事故によりミャンマー軍当局は中国製軍用機の安全性への懸念を高めている。

ミャンマー・ヤンゴンにあるタオング政治研究所(Tagaung Institute of Political Studies)のイー・ミョ・ハイン(Ye Myo Hein)事務局長は米紙ニューヨークタイムズの取材に対し、「事故発生の頻度から、中国製軍用機にはいくつかの問題があることが分かった」「ミャンマーが保有する多くの中国製戦闘機は好ましい飛行状態になく、旧式機であるため、一部はオーバーホールを行う必要がある」と指摘した。

一方、同氏は「21世紀初頭からすでに中国製軍用機に不満を持つミャンマー軍当局は現在、輸入先を分散させロシアから兵器を購入しようとしている」と述べた。

今年8月、ミャンマー軍のトップ、ミン・アウン・フライン国軍司令官は、モスクワで開催された大規模兵器展示会に出席し、ロシアから最新鋭の兵器と軍用機を購入する契約を結んだ。

(翻訳編集・王君宜)

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