11月27日スペインのマドリードにあるグーグル社社屋の前で、検閲システム導入の検索エンジン開発に反対するアムネスティ・インターナショナルの活動家たち。トンボを揶揄したバルーンをあげている(OSCAR DEL POZO/AFP/Getty Images)

グーグル社員60人、実名入り公開文書で経営陣に中国検索エンジン開発停止を求める

米情報技術(IT)大手グーグルの社員は11月27日、中国進出のために政府の検閲と情報統制システムを導入した検索エンジン開発プロジェクトを停止するよう、経営陣に要請した。社員は、会社の技術が中国の国家的な社会監視に利用されることを危惧している。

開発中のトンボ(Dragonfly)と呼ばれるグーグルの中国向け検索エンジンは、共産党政権が「社会の不安定要素」と見なした情報を表示させない検閲機能を備える。党が敏感話題として排除する情報は六四天安門事件、自由、民主、人権問題、台湾、ウイグル、チベット、法輪功の関連文書、画像、動画など。

60人のグーグル社員は自らの職務と実名を記した意見文書をウェブに公開した。「この数カ月、何千人もの社員は反対の声をあげてきた。国際人権団体やジャーナリストたちも問題を強調してきた。しかし、執行部の対応は不十分だ」と社員らは国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのトンボ開発反対運動の支持を表明している。

▶ 続きを読む
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。