マティス米国防長官の退任2カ月前倒し、トランプ氏が辞表に不快感

[ワシントン 23日 ロイター] – トランプ米大統領は23日、来年2月末を予定していたマティス国防長官の退任を2カ月前倒しし、1月1日付でシャナハン国防副長官を国防長官代行に充てる人事を発表した。当局者によると、マティス氏が辞表の中で大統領の外交政策を暗に批判したことに怒りを募らせたという。

マティス長官は20日に公表した大統領宛の辞表の中で、同盟国を重視しないトランプ氏を暗に批判。大統領にはより考え方の近い国防長官を選ぶ権利があるとし、両氏の間の溝が浮き彫りになった。

トランプ大統領はマティス長官の退任を発表した20日のツイッター投稿で同氏の功績をたたえていた。しかし22日には、オバマ前大統領から中央軍司令官の職を「不名誉に解任された」マティス氏に自身が2度目のチャンスを与えたと投稿し、不快感をあらわにした。

トランプ政権高官が23日、記者団に明らかにしたところによると、20日のツイートは大統領がマティス氏の辞表に目を通す前に側近に口頭で伝えた内容だったという。

この高官はまた、ポンペオ国務長官が23日にマティス氏に対し、1月1日付での退任を伝えたことを明らかにした。

マティス氏は後任の議会承認などの時間を十分確保するために2月末の退任を表明していたが、政権高官によると、トランプ大統領はマティス氏の辞表が注目を集めたことに苛立ち、速やかな交代を求めた。大統領は向こう数週間で後任を指名する見通しという。

国防長官代行を務めるシャナハン氏は元ボーイング幹部。トランプ大統領は23日のツイートで同氏は「非常に有能だ」と述べた。

大統領はまた、シリアからの「非常に協調的でゆっくりとした」米軍撤退についてトルコのエルドアン大統領と協議したことを明らかにした。国内外からの強い批判を受けて撤退のペースを遅らせる可能性があることを示唆した格好だ。

米軍当局者は撤退について、安全かつ慎重に行われるとした上で、ホワイトハウスによる新たな指示は承知していないとした。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

関連記事
WHOは、5月27日に開催される世界保健総会に先立ち、パンデミック条約の一部条項を緩和したが、アメリカの批評家たちは、これらの変更が政策に対する懸念を十分に解決していないと指摘している。
2020年以降、香港の自治が中国共産党によってさらに侵食されつつあるため、ワシントンは香港に対する政策を見直すよう求められている。米国のシンクタンクである「戦略国際問題研究所(CSIS)」は5月7日、「2020年以降の香港の自治権の侵食」というタイトルの報告書を公開した。同報告書は北京による香港支配の拡大を明確に描き、米国政府に対香港政策の見直しを促す40ページに及ぶ調査結果を発表した。
5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの警告信号に直面したが、全体的な状況は安定していた。5月14日予備選挙のハイライト
反ユダヤ主義に対抗することを目的とした法案が米国下院で可決され、憲法修正第一条の権利に影響を及ぼす可能性について党派を超えた議論が巻き起こっている。反ユダヤ主義啓発法として知られるこの法案は、5月1日、321対91の賛成多数で米下院を通過した。
5月14日、英国バーミンガムで行われた安全保障会議で、英国と米国は、中共によるサイバー攻撃とスパイ活動が世界の安全に重大な影響を及ぼしていると指摘した。