南米ベネズエラでは23日、大規模な反体制デモが起き、野党指導者であるフアン・グアイド国会議長が暫定大統領を宣言した(FEDERICO PARRA/AFP/Getty Images)

ベネズエラ情勢に中国人注目 当局「ブラック・スワン」と警戒

南米ベネズエラの野党指導者であるフアン・グアイド国会議長は23日、反マドゥロ政権デモの集会で、暫定大統領への就任を宣言した。米、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなど十数カ国の政府は相次いで、グアイド国会議長を暫定大統領として承認した。中国当局はこの動きに懸念し、中国でも予測不能で共産党政権の崩壊をもたらす「ブラック・スワン」事件の発生に警戒を強めている。

ベネズエラ野党の呼び掛けで、23日同国全土で約数十万人がデモに参加したと一部のメディアが伝えた。中国インターネット上では、ベネズエラ情勢に対して大きな関心が寄せられた。ネットユーザーは唐の『貞観政要・論政体』の一文、「君主は船ならば、民は流れる水である。水は船を浮かべる事ができるが、同時に船を転覆させることもできる」を引用し、民意の大切さを強調した。

また、自由派知識人と多くの中国人は一夜にして政権転覆させたベネズエラの動きから「励まされた」と前向きだった。

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