中国語を学ぶなら中国以外の国で!
中国が大国として存在感を増しつつある中、中国語への関心も世界で高まっている。約14億の人口を抱える中国市場に野心を見いだすビジネスマンにとって、中国語学習は必須と言っても過言ではないだろう。ある推計によると、中国語を学ぶアメリカ人学生の数は、2015年の20万人から2018年の40万人に倍増したという。
「(サンフランシスコ)ベイエリアの人々は、第二言語を学ぶことの価値を認識しています」
サンフランシスコ学区の副校長であるデイヴィット・P・ウォン氏は、このように新華社通信に語った。
言語を上手に学ぶためにはその文化に「没頭」することが必要だ。だが「中国語を習得するのに中国は最適な場所ではない」と言えば、多くの読者は驚くだろう。実は、中国語を学ぶのに一番適した場所は「台湾」だ。
台湾での学習がお勧めである理由
本格派の中国語・繁体字
もしあなたが中国語に関する何らかの知識を持っていれば、台湾で教えられている中国語と中国政府が支援する機関で教えられている中国語は異なることに気づくだろう。具体的には、中国本土では「簡体字中国語」、台湾では「繁体字中国語」が教えられているのだ。
2つを比較すると、繁体字中国語の方が明らかに「芸術的」だ。繁体字中国語の文字の方が、言葉の意味をはるかに明確に表すことができるとも言われている。さらに「繁体字」には、「簡体字」には見られない論理性、一貫性がある。たとえば、繁体字中国語の筆順は、簡体字中国語よりも整然としている。
では「簡体字」よりも伝統的な「繁体字」を学ぶことの利点とは何だろうか?第1に、言語理解が進む点、第2に「繁体字」の話者は両方の中国語を簡単に切り替えられる点。「繁体字」を学べば、1つの中国語でしか会話のできない人とも自信を持って話すことができる。
「繁体字」ならより多くのチャンスを得られる
中国で雇用される可能性がある場合、繁体字中国語を学ぶことで、より幅広いキャリアの機会を得ることができる。中国本土の企業であっても、香港や台湾に事務所を持っているかもしれないからだ。どちらの地域でも繁体字中国語の使用頻度が高いため、あなたの言語力は役立つに違いない。もしあなたが書道を極めたいならば、伝統的な漢字に関する深い知識も必須だ。
台湾は安心して過ごせる民主国家
中国と台湾では管理体制の構造に大きな違いがある。中国は中国共産党によって統治されている権威主義国家であるが、台湾は民主主義国家だ。
学習のため中国に居住する場合、インターネットは厳しく検閲されていると理解しておかねばならない。たとえそれがどんなにささいなものであろうと、「中国の利益」に反対する発言によって刑務所に入れられる可能性がある。加えて、中国語の教員らが共産主義のイデオロギーによって洗脳を試みてくる可能性も十分あり得る。
台湾ではそのような危険性はなく、インターネットの検閲や当局による逮捕を恐れず本心を話すことができる。また、教材に共産主義の内容が含まれることもない。
こうしたメリットにも関わらず、台湾には1つの大きなデメリットがある。それは周囲の人が流ちょうな英語を話すという点だ。なぜこれが欠点かというと、現地の人と中国語を練習するより、英語で話すことになりがちだからだ。中国には英語を話す人がほとんどいないため、このような問題は生じない。
ただし、こうした問題を認識し、中国語での会話を意識している限り、台湾は学習地として優れた選択肢と言える。台湾人は非常に友好的だ。彼らにお願いすれば、中国語の練習に必ずや付き合ってくれるだろう。
(翻訳・今野秀樹)※看中国より転載