一歩譲れば、世界が開がる
古人の土地争い 解決法
張庭玉は安徽省桐城出身の官吏で、平素から身を修め心の修養を重んじ、人々から敬愛を受けていた。張氏は、親孝行を重んじ、宰相であった間も、故郷に残した母親を心配してしばしば会いに帰った。あるとき、母を見舞いに戻った張庭玉は、家が古くなったのに気づいた。そこで、諸々の事を手配した後、使用人に作り直すように命じて都に戻った。
張家では早速、隣の葉家との間にあるスペースを使って廊下を造ろうとした。ところが、葉家のほうもちょうど、そのスペースを使って家を増築しようと考えていた。結局、両家は争うことになってしまった。張家が敷地を掘り返すと、葉家がそれを土で埋めてしまうし、葉家が工事を始めようとすると、張家の人が道具を奪ってしまう。両家は何度も言い争いになり、爆発寸前の状態になった。
張氏の母は怒りが収まらず、息子に手紙を出して、この件を速やかに処理してほしいと頼んだ。ところが、張庭玉は手紙を読み終わると、少しも慌てることなく、短い詩を一首書いて故郷に届けた。「家から手紙が届いたかと思えば、ただ壁のことだけ。三尺くらい譲ってもいいのではありませんか?万里の長城は今なおこの世にありますが、それを造った始皇帝はとっくにいなくなりました。人の命などはかないものです。争って何になるのですか?」
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