中国古語に、「慈母敗子(じぼはいし)」という言葉があります。子育てには時に厳しさが必要で、度を超えた甘やかしは、かえって子供を堕落させてしまうという意味です。ある典故を紹介しましょう。
梁元帝の時代、ある武士の家族がありました。子供は小さい時から武芸の才にあふれ、父親から寵愛を受けていました。しかし、父親は仁義や礼儀といった良き教育を施しませんでした。
子供の話に少しの理があれば、父親は彼を褒め添えて、父親は周りに自慢話を繰り返していました。逆に、子供が誤りを犯せば、父親は隠蔽し、糾弾を恐れて周囲に言い訳しました。子供は成長につれ品行が悪くなり、言葉を慎まず、粗暴で傲慢になっていきました。ついに度を超えた時、その子は殺害されました。
別の古典「顔氏家訓」には、良き教育を施すことができない大人は、悪意をもってその子を堕落させようとしているのではなく、戒めることで子供が傷つくのを見るのに耐えられないだけだと書きました。
もし子供が病を患ったら、親は医師に診せて薬を与え、適切な治療を施そうとします。しつけを放棄した親は、子供が病気になったのに「薬が苦い」からといって子供に薬を飲ませないのと似ていませんか。
(編集・望月 凛)
おすすめ関連記事:人を傲慢にしない教育とは
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。