(David Becker/Getty Images)

ファーウェイ、海外メディアを全費用負担で本社招待 記者ら反発

中国の通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)が、海外記者に対して「渡航費用負担で深センの本社に招待する」という内容のメールを送信したことが明らかになった。メールを受け取った記者らは相次ぎツイッターで暴露した。

ワシントン・ポスト記者のジョシュ・ロギン氏は3月1日にツイッターで、ファーウェイからのメールを撮影した画像を掲載した。そして「ファーウェイの資金を受け取るような米国のジャーナリストは恥じるべきだ」と書き、会社方針と個人の倫理に基づき、外資系機関から何千ドルもの贈与は受け取ることはできないとした。

ロイター通信の米官邸担当記者ジョナサン・ランディ氏は、ロギン記者のツイッターに返答する形で、自らも同じ内容のメールを受け取ったと述べた。しかも、送り主は、在米中国大使館の広報事務所だという。

メール本文によると、ファーウェイは海外記者を深セン本社や研究所などに招き、「ファーウェイのあらゆる幹部と会える機会」を提供し、さまざまな製品の製造ラインを見学でき、また「米国からの挑戦により会社が直面する問題について、記録禁止の機密会議を行う」という。「ファーウェイはあなたのホテル代、飛行機代、食費などを提供する」とも書いている。海外メディア関係者を接待し、ファーウェイあるいは中国政府寄りの考えを形成させる狙いがあるとみられる。

米国要請の下で英国、ドイツ、オーストラリア、日本などでは、ファーウェイの国家安全保障上のリスクを懸念している。マイク・ポンペオ米国務長官はまた、同盟国や友好国に対して、ファーウェイ機器の使用を避けるよう促している。

ファーウェイは、巨額を投じて国際世論の操作を図ろうとしている。同社は4日付け米国の主要紙ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、USAトゥデイ、ロサンゼルス・タイムズ、ポリティコなどに、ファーウェイの意見広告を掲載させた。

財務トップで副会長の孟晩舟氏の逮捕、米政府による同社機器の禁止措置、5G排除など、国際世論の風向きが好ましくないと捉えるファーウェイは、意見広告を通じて米主要紙の読者に対して「耳に入る一切のことを信じないで欲しい」と主張した。

(編集・佐渡道世)

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