40代を襲う「中年の危機」って知ってる? 8つの対処法
「中年の危機」(ミッドライフ・クライシス)という言葉を聞いたことはありますか? 1965年にカナダの心理学者エリオット・ ジャックス(Elliott Jaques)氏が「死亡と中年の危機(Death and the Mid-life Crisis)」の研究報告を発表してから、知られるようになりました。
40歳前後の中年期を迎える人に現れる心理的危機や抑鬱状態、不安障害のことをいい、その先の人生に不安や迷いを感じる人を指します。特に男性の場合、中年の危機を緩和させようと、刺激を求めて自分を「変えよう」とします。しかし、このようなやり方は果たして適切でしょうか。また、是が非でも変えなければならないのなら、どうすれば、この危機を乗り越えられるのでしょうか。
「中年の危機」って本当に存在するの?
1995年に行われた「米国における中年の危機に関する研究MIDUS(Midlife in the United States)」では、8割以上のアメリカ人には中年の危機はないことが明らかになりました。40代の男性は相対的に健康で、ビジネスが成功し、社交生活においてピークの時期で、自分の人生に満足しているという結果でした。これに対して、1~2割の男性は中年の危機を経験しています。その内の半数は神経質な人で、若い時から危機感を持ち続けているので、中年だけに限ったことではないのです。残りの半数は健康問題、失業、離婚などが原因で、中年の危機を感じていることが分かりました。
ただし、時代は変わるので、あらゆる条件を付け加える必要があります。例えば1960年以降、西側諸国では数多くの社会運動があったことや、経済が大低迷から繁栄に飛躍したこと、それに人類の寿命が伸びたことも中年男性の人生観を左右する可能性があります。
「中年の危機」にどう対処する?
中国の著名教育家・孔子はかつて「四十にして惑わず」と説きました。「40歳で心に迷いがなくなった」の意味で、つまり、40歳になれば、外的な要素に影響されることなく、自分自身が過ごしたい人生をしっかりと定めていることです。自分を「変えよう」とすれば、自分に安らぎと喜びを与えてくれる力を、うちに向けて、自分自身をより知ることによって見つけることができます。正しい態度で向き合って、Lifehackサイトの8つの対処方法を試して、中年の危機を乗り越えましょう。
1.運動する
汗をかきましょう。毎日、少なくとも20分間運動する、または散歩をしましょう。
2.笑う
日常に出会った人、事、物をポジティブに受け入れましょう。ポーカーフェイスを避けて、よく笑いましょう。
3.瞑想する
瞑想(めいそう)はうつ状態と憂いを軽減し、集中力を高め、健康増進に効果があるとの研究報告が出ています。さらに、ハーバード大学の最近の研究では、座禅と瞑想は学習と記憶を司る脳の機能を高めることができ、感情をよりコントロールできることが分かりました。
4.新しいことにチャレンジする
これまでにやってみたいと思うことを実行しましょう。例えば、長期休暇をとって、旅行に出かけるなどです。ただし、極端に走ってはなりません。自分の能力の範囲内で新しいことにチャレンジするようにしましょう。意外に視野が広がるかもしれません。
5.学ぶ
もう一度学校に戻って勉強することや、楽器を学ぶ、外国語、文章作りを学習するなど、学ぶ環境を作ってみましょう。学ぶことから人生に対する前向きな姿勢を創り、自身の価値を高めましょう。
6.感謝する
就寝する前に、その日の感謝に値する出来事を思い出しましょう。書き留めておくとなお良いでしょう。日常的なことで良いのです。例えば、奇麗な夕焼けを見たとか、好きな音楽を聴いたなどです。感謝することでわれわれが物事を見る角度をより広くできます。
7.オープンマインド
年齢を気にせず、心を広くして世界を受け入れようと、毎日、自分に言い聞かせましょう。自己啓発と精神的成長の分野では、国際的知名度の高いウェン・ダイアー(Dr. Wayne Dyer)博士は自身の著作の中で、「あなた自身に無限の可能性があると考えてみなさい。ですから、固有の観念に囚われないようにしましょう」と記しています。
8.ソーシャルメディア(SNS)を離れる
SNSが心の健康に与える悪影響は大きいのです。例えば、鬱(うつ)、不安、嫉妬、消沈、価値のない人間など、負の感情を引き起こしやすく、それに関わって、新たな問題を生じさせる可能性もあります。毎日、SNSに費やす時間は大抵長くて、見ているのは他人の生活情報だけで、自分の時間を無駄にしてしまいます。
中年の危機を経験するかしないか、人それぞれです。たとえそれに直面したとしても、自分自身を知る機会として、未知の自分を発見しましょう。そうすることで「危機」を「転機」に変えてより充実な人生を過ごしましょう。
(エポックメディアグループ新唐人から転載)