中国の美顔アプリ大手「美図」、経営不振でスマホ事業から撤退 

中国経済が一段と減速するなか、若い女性に人気の自撮り写真補正アプリを手掛ける中国の「美図」公司(Meitu、メイトゥ)はこのほど、2018年の決算を発表した。昨年、同社のスマートフォン製造・販売事業が深刻な不振だったため、収益が大幅に減少した。「美図」の経営陣は今年中に、スマートフォン(スマホ)事業から撤退することを計画している。

「美図」の決算報告によると、2018年1年間の営業収益は前年比37.8%減の27億9100万元(約459億円)で、純損失が12億4300万元(約204億4900万円)だった。昨年の同社スマホ事業の赤字額が5億元(約82億2600万円)に達した。また、2018年同社のスマート・デバイス事業の収益は前年比50.7%減の18億4380万元(約303億2100万円)。

美図はスマホ事業のライセンスを、中国スマホ・メーカーの小米科技(シャオミ)に与えた。

美図は2008年に設立され、中国福建省厦門市に本社を置く。同社が開発した「美図秀秀(MeituPic)」は、自撮りした写真を簡単に修正・加工できるアプリで、国内外の若い女性から高い支持を得た。一時海外でも5億人のユーザーがいたと言われる。

美図は、自社スマホの自撮り性能やフロントカメラ機能の向上を追及した結果、一時中国国内スマホ・メーカー大手に成長した。中国メディアの報道によると、同社が2013年6月に発売した初代機種「MeituKiss」1万8888台が53分間で完売となった。2014年7月、同社のウェブサイトで販売した限定機種「Hello Kitty」2000台も27秒で売り切れとなった。

美図は2016年に香港株式市場への上場を果たした。

米中貿易戦の影響で、中国国内の景気が急速に冷え込んだ。個人消費の低迷で、昨年の中国市場での携帯電話出荷台数は大幅に減少した。

中国信息通信研究院が1月に発表した統計によれば、2018年中国市場の携帯電話出荷台数は前年比15.6%減の4億1400万台となった。出荷台数のうち、スマホは同15.5%減の3億9000万台で、全体の94.1%を占めた。

同研究院が3月14日に公表した統計では、2月の中国国内携帯電話出荷台数は前年同月比で約20%減少し、3年ぶりの低水準となった。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。