トランプ米大統領の別荘で会員制の高級リゾートホテルでもある「マール・ア・ラーゴ」(Joe Raedle/Getty Images)

トランプ氏別荘侵入の中国人女、宿泊先から複数電子機器

米フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘マール・ア・ラーゴ」に不法侵入したとして逮捕・起訴された中国人は8日、地元連邦地裁での保釈聴聞会に出廷した。検察側は、女が宿泊したホテルの部屋から、隠しカメラを発見するための装置や、USBメモリー9個、SIMカード5枚、現金7500ドル(約83万3520円)と663人民元(約1万978円)を見つけたことを明らかにした。

検察側は、捜査員が女の携帯電話を解析した結果、「国連中国系米国人協会のイベントのために訪れた」という女の主張を証明できる証拠は発見できなかったとした。

起訴状によると、張玉静(音訳、Yujing Zhang)と名乗る女は、3月28日中国上海から飛行機で、ニュージャージー州ニューアーク・リバティー国際空港に到着した。

3月30日、女は会員制高級リゾートホテルでもある「マール・ア・ラーゴ」の入口で、警備担当者に「プールへ行く」と話した。同じ姓の会員がいるため、警備担当者は女が会員の娘だと思い、敷地内に入らせた。しかし、受付では「国連中国系米国人協会のイベント」に出席するため訪れたと説明。受付担当者はそのようなイベントはないと女に告げた後、不審に思い、大統領警護隊(シークレットサービス)に連絡した。

シークレットサービスは女を検問した。女は「チャールズという中国人の友人に誘われた」と説明し、中国語で書かれた招待状を見せたという。女は中国のパスポート2冊、携帯電話4台、ノートパソコン、コンピューターウイルスが入ったUSBメモリーを持っていた。プールに入るための水着は持っていなかった。

地元連邦地裁の裁判官は4月1日、1回目の保釈聴聞会で、女の保釈を認めなかった。8日2回目の保釈聴聞会でも、検察側は女が「中国に逃亡する可能性が大きい」として勾留を継続するよう求めた。

米連邦捜査局(FBI)は、女が中国情報機関のスパイの可能性があるとみて捜査している。

フロリダ州連邦地裁のウィリアム・マシューマン裁判官は8日、4月15日に女に対する3回目の勾留審問をすると表明した。

(翻訳編集・張哲)

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