天安門事件30周年控え 中国当局、体制批判の歌手にコンサート中止令
中国の民謡歌手・李志氏(41)の作品がこのほど、中国国内の音楽配信サイトから取り下げられ、同氏のSNSのアカウントも閉鎖された。李氏の作品には、1989年に発生した「六四天安門事件」や中国当局の圧政を暗に批判する内容が含まれていることが原因とみられる。
4月3日、四川省の文化・観光庁が公表した通達によると、同省が2月に「不正行為」を理由にして、「某歌手」の予定していた計23回のライブコンサートの中止を命じた。詳細は明らかにされなかった。
李氏のファンは、某歌手は「李志氏である」と指摘した。李志氏は、今年四川省で23回の巡回ツアーを計画していた。2月下旬、ツアー開始の2日前に、李氏側が突如、「李氏は健康不良のため、巡回ツアーを中止する」との声明を出した。すでに販売した1万8000枚のチケットについては「払い戻しをする」とした。
12日、李志氏のSNS微博のアカウントが使用停止された。同時に、音楽配信サイトで、李志氏の作品が全部削除された。
李氏は2004年から現在まで、9枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。代表曲の「広場」「1990年の春」「彼たち」などには、1989年6月に起きた大規模な民主化運動「六四天安門事件」を思い出させる歌詞がある。「黄昏れ」と「人々は、自由を必要としない」は、中国当局の専制体制を風刺している。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)14日によると、李志氏は過去のコンサート公演で、中国国内の政治環境を批判し、「われわれの子孫や中国の若者が自由民主の世界で生きることを望む」と話した。
VOAは、今年6月4日が「六四天安門事件」30周年であるため、中国当局が神経をとがらせているとの見方を示した。
(翻訳編集・張哲)
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