米通信委、中国移動の米市場参入申請に却下の意向
米連邦通信委員会(FCC)のアジット・パイ(Ajit Pai)委員長は17日、中国国有通信事業大手、中国移動(チャイナ・モバイル)が提出していた米国での通信サービス提供申請について、却下する意向を示した。
パイ委員長は、中国移動が米国でサービスを提供すれば、「重大かつ深刻な国家安全保障・法執行上のリスクをもたらす」との認識を示した。5月9日に開催される委員会の会合で、投票で正式に決定するという。
パイ委員長は、中国移動の米国子会社、チャイナ・モバイルUSAが今回申請を提出したことを明らかにし、国有企業のチャイナ・モバイルUSAは中国当局の支配下にあると指摘した。
ロイター通信18日付によると、パイ委員長は「中国当局に利用・操作されやすいうえ、影響を受けやすい」とし、チャイナ・モバイルの申請却下の草案を公布した。
FCC関係者は、中国移動が米でサービスを展開すれば、中国情報局のために情報収集活動する可能性を危惧している。
FCC委員5人のうち、パイ委員長を含めて3人が与党・共和党所属、残りの2人は野党・民主党所属だ。ロイター通信は、中国移動の参入申請は退けられる見込みが大きいとした。
トランプ米政権は、安全保障上の理由で、華為技術(ファーウェイ)など中国通信機器大手に対して、米次世代通信規格(5G)通信網の構築から排除した。
中国移動は2011年、初めて米政府に対して米通信市場参入申請を提出した。米政府が長年にわたって審査した結果、昨年米商務省の電気通信情報局(NTIA)は、FCCは同社の申請を拒否すべきだとの見方を示した。
NTIAが公開した書簡によると、2011年時点で中国移動の契約者は約6億5000万人に達し、世界最大の携帯電話事業者だ。
(翻訳編集・張哲)
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