英放送規制当局、テレビ自白強要の中国国営CCTVを調査へ
英国の通信・放送規制機関である英国情報通信庁(Ofcom、オフコム)はこのほど、中国国営中央テレビ(CCTV)が英市民のピーター・ハンフリー(Peter Humphrey)氏の自白映像を英国内を含め、世界に向けて放送したことについて、正式に調査を始めたとした。
ハンフリー氏は昨年11月、オフコムに対してCCTVの放送許可の取り消しを求める陳情書を提出した。
中国当局は2014年、当時探偵事務所を経営していたハンフリー氏と中国系米国人の妻を拘束した。中国国民の個人情報を不法に入手し、英製薬会社のグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)に渡したとして起訴された。夫婦は有罪判決を受けた後、2015年、英外務省の交渉によって刑期が短縮され釈放された。
ハンフリー氏は昨年11月に提出した陳情書で、中国当局に拘束された際、CCTVと警察当局が同氏にテレビでの自白を強要したと訴えた。この場面が録画・編集された後、CCTVはCCTV傘下の国際放送網CGTNを通じて国内外で放送した。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)10日付によると、オフコムは調査で、CCTVの放送がジャーナリズムの公平性やプライバシー保護に関する英国の規定に違反したと認定される場合、CGTNに放送免許の取り消し処分を科するとした。
オフコムは2011年、イラン国営放送局「プレステレビ(Press TV)」の英語放送部門が、イラン当局に拘束された米誌「ニューズウィーク」記者・マジアール・バハリ(Maziar Bahari)氏のインタビューを放送したことで、10万ポンドの罰金を科した。翌年にオフコムは、英国の放送規定に違反したとして、プレステレビの英国内での放送免許を取り消した。
また、昨年11月ハンフリー氏のほかに、スウェーデン人活動家のピーター・ダーリン(Peter Dahlin)氏や香港銅鑼湾書店の林栄基・元店長らも中国当局に拘束された後、テレビ自白を強要されたとしてオフコムに陳情書を提出した。
VOAによると、ダーリン氏は、今後中国政府系メディアによるテレビ自白の強要は抑制されるだろうと英政府の調査を評価した。同氏は、オフコムの姿勢は、欧州で発言権と影響力を強める中国当局にとって大きな打撃になるとした。
(翻訳編集・張哲)