イメージ写真。(Illustration - Shutterstock)

リンゴ1個分の重さで生まれた世界最小の赤ちゃん、「奇跡」の退院

体重わずか244g、リンゴ1個分ほどの重さで生まれた赤ちゃんが、5か月入院していたアメリカ・カリフォルニア州の病院を5月に無事退院しました。

アメリカ・アイオワ大学が集めている小さい新生児に関するデータによると、この赤ちゃんはそれまでの世界最小(2015年にドイツで生まれた251gの赤ちゃん)より小さく、その記録を更新したとのことです。

この赤ちゃんのあだ名は「セイビーちゃん」。

家族の希望により本名は発表されていません。

セイビーちゃんは予期せぬ緊急帝王切開手術により妊娠23週で生まれました。

 

セイビーちゃんの母親が妊娠合併症を発症しお腹の赤ちゃんが十分発育していない事が判明、更に母親の命も危険にさらされていたからです。

「人生で一番恐ろしい日だったわ」と母親は振り返ります。

 

帝王切開により生まれたセイビーちゃんの体重はたったの約244g、通常の妊娠23週の赤ちゃんの半分しかありませんでした。

母親の胎内にいた期間が極端に短かったセイビーちゃんは感染症のリスクが高く、脳や肺などに様々な問題が起きる可能性もありました。

病院はあらゆる手を尽くし、後は赤ちゃんの生命力にかかっていました。

出産後1時間しか生きられないと言われたセイビーちゃんでしたが1時間は2時間に、そして1日、1週間と延びていきました。

病院のスタッフはベッドの周りにメッセージを書いたカードを飾り付け、成長を応援しました。

妊娠28週以前に生まれる赤ちゃんは「マイクロ・プリ―ミー(超低出生体重児)」と呼ばれています。

多くのマイクロ・プリーミーは胎外で生き延びていく力強さを持ち合わせていませんが、セイビーちゃんは違いました。

例を見ないほどの小さい体で困難を乗り越え、5か月後の退院時には体重も約2㎏にまで増えたのです。

退院の日、病院スタッフは卒業式用の四角い帽子をセイビーちゃんにかぶせ、この「奇跡の赤ちゃん」の「卒業」を祝いました。

セイビーちゃんの生命力、医療チームの技術、どちらが欠けてもこの「奇跡」は起きなかったでしょう。

「奇跡」を「可能」にする人の強さ、そして医療の素晴らしさに改めて大きな拍手を送りたいです。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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