カンボジアのビル倒壊事故、中国企業が無許可建設か フン・セン首相調査命じる
6月22日に多数の負傷者を出したカンボジアのシアヌークビル市のビル倒壊事故で、中国企業がビルの建設工事を担当していることが分かった。これを受け、同国のフン・セン首相は、中国企業が建設する全ての建物を徹底的に調査するよう指示した。
ロイター通信は、工事中の7階建のビルが崩壊し、少なくとも28人が死亡し、24人が負傷したと報道し、まだ多くの行方不明者が瓦礫に埋もれていると伝えた。
24日、フン・セン首相は事故が汚職によるものだと判断し、シアヌークビル州知事の引責辞任を受け入れたほか、国家災害管理委員会の副主任を更迭した。さらに、委員会を立ち上げ中国企業が建設する建物を全面的に調査するよう命じた。
報道によると、このビルは中国企業が所有している。また、無許可で建設されていることも確認された。政府関係者がかつて二度にわたり、工事の中止を求めたが、中国側はこれに応じなかった。
事故発生後、警察当局は中国の建設会社の関係者、請負業者など4人を逮捕した。カンボジア人1人も拘束、捜査を受けた。
シアヌークビルはカンボジア最大の港湾であり、中国の広域経済圏構想「一帯一路」計画の中心地の一つでもある。中国経済特区(Chinese Speacial Economic Zone)を設けている。
中国資本が近年大量にカンボジアに進出し、シハヌークビル市で建築ブームを起こしている。カジノリゾートとしても有名で、多くの中国人観光客を惹きつけている。現在、中国企業が所有する50軒のカジノがあり、数十のホテルが建設中にある。
政府の資料によると、2016~18年までの間に、中国政府および中国の民間企業はシアヌークビル州に10億ドルを投資した。
中国共産党は2013年以降、「一帯一路」を推し広めた結果、多くの参加国に巨大な債務危機をもたらし、現在多くの国がプロジェクトを相次ぎ中止している。
(翻訳編集・李沐恩)