中国の有名演奏家、空港で客に暴行 15日間拘留
香港籍の有名なオーボエ演奏家、黄錚氏が飲酒後に空港のラウンジで座席を争って暴れ、英語で外国人女性をののしり、さらに乗客2人を殴って怪我をさせたとして拘留された。
SNSに載せられた情報によると、7月9日夜、黄錚氏が西安の咸陽国際空港のラウンジで、座席を巡って1人で座っていた子どもと争い、止めようとした乗客を汚い言葉でののしり、脅すという事件があった。黄錚氏は椅子の上に立ちあがり、「俺はファーストクラスの客」だと叫んだという。
SNSに流れている映像には緑色の服を着た黄錚氏が咸陽空港第三ターミナルのラウンジで外国人女性を罵倒し、別の男性客を殴る様子が映っている。現在アメリカに住むこの男性客は事件当時、家族4人で4つのシートに座っていたが、荷物の番のため子ども1人を残し、3人がトイレに立っていた。子どもは家族の席に黄錚氏が座ろうとしたためこれを止めたところ、黄錚氏に怒鳴りつけられた。
一人の外国人女性が見かねて制止しようとすると、黄錚氏はこの女性に対しても怒りを爆発させ「俺はファーストクラスの客だ。中国人は団結して外国人を打ち倒すべきだ」などと叫んだ。トイレから戻った男性客と妻が止めに入ると、黄錚氏とその友人は夫妻を殴打し、頭部に怪我をさせた。
報道によれば黄錚氏とその友人は、それぞれ15日と25日の拘留に処されたという。
黄錚氏は湖南省長沙出身の41歳で、2002年に香港フィルハーモニー管弦楽団に入団した。2008年には香港政府から「優秀人材入境計画」の適用を認められ、2009年には永住権を獲得している。
ネットで事件を知った人々は「これが芸術家としての教育を受けた者がすることとは信じられない」と書き込んだ。一方、中国のウェブサイト、SNS微博に載せられたこの事件に対するコメントは全てブロックされ、閲覧できない状態にある。