「逃げること」が最善の場合もある!
今回は、困難に立ち向かうときのヒントを紹介します。
仕事をしていると難局を迎えることもあります。そこで、秘策をもっているならいいのですが、状況によっては「逃げる」のもあり?
孫子は「少なければ則ち能くこれを逃れ、若かざれば則ち能くこれを避く。」と言っています。
この言葉を読み解くと「数的に劣勢ならばうまく逃げる機会をうかがい、あらゆる面において劣勢ならば戦うよりもうまく逃げることだけを考えよう」ということです。
テレビのヒーローは、どんな苦難を迎えても逆転する筋書きが用意されていて、毎回最後には勝ちます。
しかし、現実はそうはいきません。実際に、三国志や戦国時代の名だたる武将たちでも何度も負けています。
勝ち目がないと判断したら、可能な限り時間も労力も消耗しないように退くということを考えるほうが合理的ですね。
例えばビジネスにおいて商品で競合したとき、ライバル企業にスペックや価格などあらゆる面で勝てる要素がないのに、不利な条件のまま粘るのは時間も労力も無駄にすることになります。
そこで粘るよりは、他の販売先を探したり、次へ向けての対策を講じたりすることに時間と労力を使うほうがいいですよね。
ただし、気をつけなければいけないのは、逃げるときにあからさまにならないようにということです。
以前、プロ野球チームが10点差をつけられたときに、主力を交代して温存したことがありました。
主力の疲労を回復させて翌日以降に備えるということは一つの考え方ではありますが、主力選手のプレーを楽しみにしているファンがいることは考慮しなければなりません。
ビジネスにおいても相手は人ですから、逃げる場面でやる気のなさそうな素振りを見せたり、素っ気ない対応をするのは禁物です。
困ったとき、窮地に追い込まれたときの振る舞いこそが、人の度量を示すのかもしれません。
困難に立ち向かうとき、あまりにも条件が悪いようなら「うまく逃げる」ことも一つの選択肢ですね。
(日本大紀元ウェブ編集部)