息子から返事来ない!悩むお父さんがアプリ開発、スマホをジャック
イギリス人の父、ニック・ハーバートは、世界中の心配性な親たちの心を掴んだ。ここまでたどり着くには10代の子どもを持つ親ならではの多くの苦労があった。
ロンドンのウェスト・ウィッカムに住むハーバートは、当時13歳の息子ベンに自由に外出する許可を与えた。ただ1つ、常に連絡が取れるようにしておくことが条件だった。しかしベンは友達とゲームをしたりサッカーをしたりすることが多くなり、すぐに親の言葉には無頓着になった。ハーバートからのメールはほとんど無視されている。徐々に不満のたまった父親は息子の仕打ちに対抗するユニークな解決策を思いついた。
彼はベンが父親を無視できなくなるスマホアプリを開発したのだ。
「息子のスマホにアラームを設定できるようにしたかったのです。それがこのアイディアの始まりでした」とハーバートは語った。こうして ReplyASAP(至急返信)は誕生した。
「これまでにアプリを開発した経験はありませんでした。私の本業ではないので、すべてが初めての連続でした」それでも彼は友人を雇ってアプリ開発に協力してもらい、妹にはアプリの名前を考えてもらった。
アプリの仕組みはこうだ。まず両親がアプリをダウンロードして子どもを招待する。子どもが承認してアプリをダウンロードすると、お互いに「至急のメッセージ」を送れるようになる。アプリから送信されたメッセージがアラームを作動して相手のスマホ画面をジャックする。メッセージに返信するまでアラームを解除することはできない。
メッセージはタイマーを設定することもリアルタイムで送ることもでき、アプリは無料で使用できる。ただし複数人数と接続するためには課金が必要だ。「私と同じ境遇にいる人たちに活用してもらいたい」とハーバートは語った。
彼は自分の発明が10代の若者たちには歓迎されないだろうとわかっていた。それでもユーザーたちにアプリは緊急用であって相手を攻撃するための兵器ではないことを強調した。
「息子には緊急のときだけアプリを使うように伝えました」とハーバートは説明した。単になくなった靴下を探しているだけなら普通のメールで十分なのだ。
幸いにもベンが父親に反抗することはなかった。「このアプリは彼の生活を苦しめるものになるでしょうか?」ハーバートは考えを巡らせた。「私は息子と話すのに四六時中アプリを使うつもりはありません。大切なのは彼がアプリの存在理由を理解しているかどうかです。これは安全装置なんです」
ReplyASAP は2017年8月にAndroidで使用できるようになった。しかしGoogle Playの規制ではスパイやストーカー行為を助長すると判断された。それでもこのプロジェクトに徹底的に取り組んでいたハーバートは再度挑戦し、改訂版の RespondASAP をリリースした。
改訂版アプリはこれまでに5,000ダウンロード超えを記録している。
「私たちはそれぞれ異なる言語や文化を持っています。それでも、だれもが同じような問題を抱えているように思うんです。私はその問題を解決したくてアプリを開発したので、もしだれかの助けになっているならうれしいです」とハーバートは語った。
(大紀元日本ウェブ編集部)