米コストコ、上海で中国1号店オープン 初日に客殺到で営業中止
米会員制卸売大手コストコの中国1号店が27日、上海市閔行区にオープンした。午前8時半の営業開始とともに、想定以上の客が殺到した。客らは、我先にと店内の肉類商品、粉ミルク、中国酒などに次々と手を伸ばした。店舗内と周辺道路は大混雑し、店側は午後1時過ぎにこの日の営業を中止すると発表した。
中国メディアの報道によると、27日午前9時頃、1100台の自動車を収容できるコストコの駐車場はすでに満車となった。午前11時、続々と押し寄せてきた客で混みあい、身動きがとれないほどの状況となったため、店側は入店制限を始めた。スタッフは店の周辺道路に看板を掲げて、ドライバーに「駐車場に入るのに3時間、また入店するには2時間かかる」と知らせた。駐車場に入るための車列で、付近の道路は約3キロの渋滞が起きたという。
また、コストコでは、ネット上で最高額1本3000元(約4万4000円)で販売されている中国高級白酒「茅台酒(マオタイシュ)」を1本1490元(約2万2000円)の価格で販売。開店直後に即時完売した。
客らは高級西洋ブランド「エルメス」「プラダ」「シャネル」などのカバンのほか、生鮮食品売り場では牛肉、豚肉なども争って購入した。中国では、アフリカ豚コレラや米中通商摩擦の影響で、豚肉の価格が急激に値上がりしているため、割安感のあるコストコの肉類商品は人気を集めた。
一部の中国人ネットユーザーは、「ゆるいコストコの『購入後90日以内返品制度』は、道徳観の低い人に悪用される恐れがある」「コストコは中国で絶対に大損するから、早く撤退するのでは」と不安の声を上げた。
米中貿易戦が一段と激化し、香港情勢も緊迫しているなか、中国当局は国内で反米プロパガンダを強化している。コストコの人気ぶりに、中国人ネットユーザーは「毎日アメリカを罵倒する国営中央テレビ(CCTV)は無駄骨を折った」「14億人の愛国者は今、米国産牛肉を奪い合っているよ」と皮肉った。
(翻訳編集・張哲)