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夏、殷、周 上古三代の天命観について考察する(三)

 

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殷が滅び、周が天下を取り、殷人の「帝」、「上帝」に対する信仰も、それにつれて、周の「天」に対する信仰に変わっていきました。後者と前者は言葉が違っていても、本質的には、すべて全能の至上神を指しています。

至上神である以上、「天」は周の人々の心の中で、当然のことながら、この上なく最高の存在となりました。それは周の人々が「天」を祭る風習からも証明されます。

北京の天壇は、明と清代の皇帝が天を祭る場所だと誰もが知っています。中華民族の最も盛大で荘厳な祭祀の儀式として、そして、人と天との「交流」の形式として、その原点は周を含む上古時代に遡ることが出来ます。

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周の時代では、毎年の冬至の日になると、天子が国都の南の郊外で天を祭る儀式を行ないます。「圜丘祀天」(※1)と「方丘祭地」(※2)はすべて郊外で行なわれるため、郊祀(※3)とも言います。

それでは、周の人はどうして天を祭るのでしょうか? その目的はこのような儀式を通して、万物を育て、潤しを与えてくれる天に感謝の意を表し、そして、至上神からのご加護を祈ることに他なりません。彼らから見れば、世間の万物は天によって育てられ、潤され、しかも、守られていると考えていたからです。もしそうでなければ、どうして天に対して感謝の意を表し、ご加護をお祈りする必要があるでしょうか?

 

※1 圜丘(えんきゅう) 天を祀る祭壇。天が円形だと考えられていたため、天を祭る祭壇は円形となり、天壇とも言います。冬至の日に儀式が行われます。

※2 方丘(ほうきゅう) 地神を祭る祭壇。大地が方形だと考えられていたため、地神を祭る祭壇は正方形となり、地壇とも言います。夏至の日に儀式が行われます。

※3 郊祀(こうし) 天子が王都の郊外において天地を祀る儀式を行いますので、そのことを郊祀とも言います。

(明慧ネットより転載)

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