自分の給料を庶民に分け与えた人
南北朝と隋朝時代に、公孫景茂という官吏がいました。
戦争中、景茂は自分の俸禄(給料)を出してお粥と薬を買ってきて、病気で倒れた兵士に食べさせました。これによって救われた人命は千人以上に上ります。
景茂は病気のため退職する時、彼より低い官吏らと庶民は、道路で大声で泣いて、彼を見送りました。
それから、景茂は道州の州長官を担当しました。彼は自分の俸禄を使って、子ウシやニワトリ、豚を買って来て、孤児や未亡人など自力で生活していけない人たちに配りました。彼はまた一人で馬に乗って、民間を巡視することが好きで、自ら庶民の家に入って生活の実情を視察します。家計をよく営む民家を見れば公の場で顕彰し(訳注:隠れた功績・善行などを世間に知らせ表彰する)、悪事を働く人を見れば、ひそかにかげでその人を叱って指導しますが、彼の行った悪事を公表せずに、改める機会を与えます。それで、庶民は仁義と礼儀を重んじ、互いに助け合うようになりました。農作をする時、村の男子は近所の田畑も手伝って耕すようになり、女性も布を織る時に互いに助け合います。自分のことだけ気にかけて他人のことを、全然顧みない現象がなくなりました。数百世帯もある大きな村落においても、村民は仲睦まじい家族のように、他人の事を自分の事のように気にかけます。
景茂が亡くなった日、各州から彼の葬儀に参加した庶民は数千人に及びました。葬儀に参加できない人たちは、彼の墓に向かって号泣しました。
(『北史第86巻 列伝第74 循吏』)
(明慧ネットより転載)
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