米国人ら、清王朝が残した債務の返済を中国に要求=米誌

中国清王朝が発行した債券を保有する米国人債権者は、トランプ政権に対して、中国当局に債務を返済させるよう求めている。債務規模は現在の価値では、1兆ドル(約106兆円)以上だという。米誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」が8月29日伝えた。

報道によると、テネシー州で牧場を営むジョナ・ビアンコ(Jonna Bianco)氏は債権者団体の代表を務めている。同氏は昨年8月、トランプ米大統領、ムニューシン財務長官と面会した。

ビアンコ氏は、インフレや利子、賠償のコストなどを考量すれば、中国当局の返済金額は1兆ドルを上回ると指摘した。同氏はトランプ政権に対して、清王朝が残した債券を米中通商協議の一つの議題として中国側に提示してほしいと要求した。

同氏によれば、中国当局はこれらの債務について、1949年より前の中華民国政府が責任を負うと主張する。ビアンコ氏は「この言い分は、当局が中国の主権の唯一の継承者だとの主張と矛盾する」と批判した。

デューク大学の法学者は「法的にみれば、清王朝が残した債務は完全に合法だ」との認識を示した

米財務省と商務省は報道についてコメントを差し控えた。

8月31日時点まで、中国当局からの返答はなかったという。

清王朝は1911年に、湖北省から広東省を結ぶ湖広鉄道を建設するために、米、英、仏、独の西側諸国に対して国債を発行し、「600万金英鎊(600万ポンド)」の資金を集めた。同債券の発行は、後の保路運動、さらに清王朝の崩壊を招いた辛亥革命の発端となった。

米国債権者は過去数十年、債務返済を求めてきた。1979年、債権者は中国当局に返済するよう訴訟を起こした。米裁判所は、当時の中国外相だった黄華氏に対して証人として召喚した。しかし、当時の米政府は中国当局との関係を回復しようとしていたため、司法省が和解を図った。1987年、裁判所は原告側の訴えを退けた。

(翻訳編集・張哲)

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