トラック運転手のケビン・キンメルはバージニア州のある街で休憩をするために車を停車しました。その際に奇妙な光景に遭遇します。

彼が車の座席に座っていると、窓ガラスが黒いカーテンで覆われたRV車が目に留まりました。

しばらくすると、ある男性がRV車に近づき、扉をノックします。男性は車両に入り、しばらくしてから外に出ます。その後、再び車内に近づき、扉をノックして車に乗り込みました。すると、ケビンはRV車が不自然に揺れるのを目撃します。

嫌な予感に襲われたケビンは、そのまま車を見張り続けます。ケビンによると、その後に若い女性と思われる人物が、布の隙間から外の様子をうかがっていたようですが、すぐに別の何者かによって車の奥に引き戻されてしまったということです。その後、窓は再びカーテンで覆われてしまいました。

この事態を見て、ケビンは地元の警察署に目撃した内容を通報します。間もなく、4台のパトカーと救急車が現場に到着しました。ケビンが様子を見ていると、しばらくたってから、女性隊員に付き添われて、髪がボサボサの状態の若い女性が車内から現れました。

実はこの20歳の女性はRV車の中で性的搾取の対象として拘束されていたことが後に判明しました。クリスマスイブに誘拐されたこの女性は、アイオワ州からバージニア州までの道中、売春行為をするように強いられていたのです。彼女を誘拐した人物たちは、彼女の家族を殺すと言って彼女を脅迫していました。結果的にケビンの行動によって彼女の命は救われたのです。

数日後、この女性はケビンに個人的にお礼を伝えるために連絡を取りました。これを受けて、ケビンは、彼女がこの悲惨な経験を乗り越えて、幸せな人生を送れるようになることを願っていると励ましました。ケビンの勇敢な行動により逮捕された2人の犯人には、それぞれ41年と40年の刑が言い渡されました。

現在ケビンは人身売買行為を防止することを目的とした、トラック運転手たちによって構成されているTruckers Against Trafficking（TAT）という組織に属しています。トラック運転手は国内の高速道路事情に通じているために、この手の人身売買行為を阻止する上で効果的な役割を担うことができます。そのため、ケビンは支援の輪を広げるように、他のトラック運転手に積極的に呼びかけています。

（大紀元日本ウェブ編集部）