米国防長官、中ロの脅威を警告 欧州に対策強化求める

[ロンドン 6日 ロイター] – エスパー米国防長官は6日、訪問先のロンドンで演説し、中国とロシアによる安全保障や経済面の脅威に対し欧州は対抗策を強化する必要があると訴えた。

同長官は英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)で行った演説で「ロシアと中国が他国の経済、外交、安全保障に関する決定を拒否することで国際秩序を乱そうとしていることがますます明白になりつつある」と述べた。

その上で「米国はこの問題に真っ向から取り組んでいるが、われわれが数十年間ともに犠牲を払い、一緒に作り出した世界を守るならば、皆が立ち上がる必要がある」と訴えた。また、中国とロシアは宇宙やサーバー空間で力を増しつつあると警鐘を鳴らした。

中国については、経済力の乱用や技術の窃盗など多くの懸念事項を列挙し、「欧州とは無関係の遠い地の問題ではない」とくぎを刺した。

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡る問題にも言及し、現段階では時期尚早とした上で、米同盟国は将来的に、ファーウェイへの対応によって米国との情報・技術の共有に影響が生じる可能性があると警告した。

さらに、「逃亡犯条例」改正案をきっかけとした抗議活動が続く香港について「(中国共産党の)影響力に抗議の声を上げる人々に何が起きているかわれわれは眼にしている」と発言。1997年の中国返還後も香港に高度な自治を認めた「一国二制度」について、「香港で現在起きていることを見れば、中国は約束を守っていると言えるだろうか」と問いかけた。

ロシアに関しても、周辺国への侵攻やシリア問題などのリスクに言及し、「ロシアの外交政策は引き続き国際的な規範を無視している」と指摘した。

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