生まれつき筋肉のない女性 医師の反対を押し切り出産を決意

シェリー・クランピットさんは生まれつき、筋肉組織をほとんど持たない、先天性多発性関節症を患っている。特に彼女の容体は深刻で、医師からは1歳の誕生日を迎えることもできないだろうと宣告されていたという。しかし彼女は20回以上もの辛い手術を乗り越え、生き続けている。

そんな彼女が不可能を可能にした奇跡の出産エピソードをご紹介しよう。

シェリーさんは2015年に結婚、子供を持つことを考え始めたという。しかし医師からは彼女が出産できるか見当もつかず、できたとしても体に大きな負担がかかるだろうと警告したが、その反対を押し切って出産を決意。残念なことに、初めは流産してしまうが、結婚1年後に再び妊娠することに成功した。

Photo courtesy of Sheree Clampit

当時医師たちは、122センチの小柄な体で、子供を育てることはできないのではないかと懸念するが、妊娠29週目には帝王切開で子供を取り出すことに成功。「始めは、硬膜外麻酔で出産する予定だったんですが、背骨が曲がっているため、全身麻酔で出産することになりました」とシェリーさんは当時を振り返る。

医師の心配は他にもあった。それは母子の健康な状態だった。

Photo courtesy of Sheree Clampit

彼女は身長47センチ、体重2.5キロの元気な男の子ハイデンくんを無事出産したのだ。しかし、障害のため、子育てに悩むシェリーさんは「人の手を借りないと育児がままならないのよ」と母親になりきれない悔しさを語った。息子が泣いているときに抱っこしてあげることもできず、オムツを替えるのにも時間がかかってしまう彼女は自分を責め続けた。

さらに彼女を一番苦しめたのは、周囲からの目だった。彼女では育児ができないのではないかと、理解を得られないこともあるそうだ。しかしシェリーさんは「息子はいつも『ママ、大好きだよ』と言ってくれます。親子の絆に値札をつけることなんかできないわ。保育園に迎えに行くと、ハイデンはすごく嬉しそうなのよ」とコメント。

Photo courtesy of Sheree Clampit

現在は、前夫からの家庭内暴力から抜け出し、息子と2人で二人三脚の生活を送っているという。「今はずっと息子のそばにいます。ハイデンと私は強い絆で結ばれているんです。彼の成長は私に生きる意味を与えてくれます。私の周りにはサポートをしてくれる人がいますが、母親は私なので、ヘイデンに出来る限りの事をしてあげたいと思っています」とコメント。

シェリーさんは障害を乗り越え、ハイデンくんの素敵なママになることだろう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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