米大統領、中国通商慣行を改めて非難 「悪い合意」容認せず

[国連 24日 ロイター] – トランプ米大統領は24日、国連総会で行った演説で中国の通商を巡る慣行を改めて非難し、米中通商協議で望ましくない合意は容認しないとの考えを示した。

トランプ大統領は、中国は2001年の世界貿易機関(WTO)加盟時に示した確約を順守しておらず、米国やその他の国の雇用を大量に奪う略奪的な通商慣行を実施していると指摘。「改革を実施するとした確約を反故にしただけでなく、大規模な市場障壁、手厚い政府補助、為替操作、強制的な技術移転、知的財産権の侵害などに依存する経済モデルを構築した」と非難した。

中国のWTO加盟以降、米国にある6万件の工場や420万人分の製造業の職が失われたとも指摘した。

その上で「米国が関する限り、こうした日々は終わりを告げた」と指摘。米中通商合意は得られるとの期待を示したものの、両国の関係の再均衡化に向けた合意を望んでいるとし、「米国民は中国との関係の再均衡化に絶対的にコミットしている。双方に恩恵をもたらす合意が得られると期待している。これまでも明確に示してきた通り、悪い合意は容認しない」と述べた。

ナショナル・セキュリティーズの首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「中国に関する指摘は辛らつだった」と述べた。

インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者クリス・ザッカレリ氏も、中国に「敵対的な」演説だったとし、ここ数週間出ていた米中貿易問題を巡る楽観的な見方が「消滅し、悲観的な見方が台頭した」と述べた。

トランプ大統領の演説を受け、米株価は下げに転じた。

トランプ氏は、香港の反政府デモに対する中国当局の対応と米中通商協議を関連付ける姿勢を示し、「米政府は香港情勢を緊密に注視している」と指摘。「中国の香港情勢への対応は、中国が将来的に世界の中でどのような役割を果たしていくかを如実に示す。中国の習近平国家主席は偉大な指導者であると期待している」と述べた。

日本との貿易についても言及した。トランプ大統領は安倍晋三首相と25日に会談し、「素晴らしい新通商協定の取りまとめで進展を続ける」と述べた。両首脳が会談で協定に署名するか、また日本側が自動車・自動車部品に新たな関税を導入しないよう米側に確約を求めたことで署名が遅れるかどうかは不透明という。

*内容を追加しました。

関連記事
2024年5月13日、米国国会議事堂の前で、ある特別な意味を持つ米国国旗が掲揚された。これは、法輪功の創設者である李洪志氏に対する敬意と、法輪大法が社会にもたらした素晴らしい影響を称え、世界法輪大法日を祝う行事の一環だ。
「パンデミックに対するこの新たな提案(パンデミック条約)は非常に歪んでいる。これはビジネス戦略であり、公衆衛生上の戦略ではない。富の集中と植民地主義によるビジネスだ」元WHO職員 デイビッド・ベル氏
元WHO職員が大紀元に寄稿「パンデミック条約については、巨額の資金が動いているだけに、客観的に状況を把握するのはなかなか難しい。公衆衛生に対するオーソドックスな観点から、その問題点をいくつか見ていこう」
中華民国史上初の女性総統、蔡英文が5月20日に任期を終えた。
台湾の頼清徳総統は20日、就任式典に日本の超党派国会議員らが出席し、「自らの行動によって台湾支持の姿勢を示」したことに感謝の意を示した。