ロイター通信によると、米ナスダック市場は中国の中小企業による新規株式公開(IPO)を規制する方針を決めた(Spencer Platt/Getty Images)

米ナスダック市場、中国中小企業のIPOを規制へ 「投資家がほとんど中国人」

米メディアは27日、トランプ米政権が中国企業への投資を規制し、米株式市場に上場する中国企業の上場廃止を検討していると伝えた。ロイター通信は29日、全米証券業協会(NSAD)が管理運営する世界最大のベンチャー向け株式市場、ナスダックは中国の中小企業による新規株式公開(IPO)を制限する方針だと報じた。

ロイター通信は、米証券当局の管理文書、企業の上層幹部や投資銀行関係者からの情報提供に基づき、報道を行った。ナスダックは現在、中国の中小企業のIPOに関する審査のペースを減速しているという。中国企業は、米国の投資家ではなく、中国国内の投資家から資金を集めていることが主因だ。

中国の中小企業が米市場に上場しても、企業の内部関係者がその株式の大半を保有するため、市場に出回り、取引される株式が少ないのが現状だ。昨年、中国のオンライン医療診察・薬販売企業「111集団」がナスダック市場に上場を果たし、約1億ドルの資金を調達した。同社の劉俊嶺・最高経営責任者(CEO)はロイター通信に対して、同社の株式は主に社内上層幹部らに買われたと話した。株式の取引が少ない中国企業に対して、米の機関投資家は魅力を感じないという。

また、中国の中小企業の関係者らによると、米市場に上場する際、中国国内の投資家が先を争って株式を購入している。

ナスダック市場のスポークスマンは、米国のすべての証券取引所は「米国投資家に多様化した投資機会を与えるためにある」と強調した。

ブルームバーグとニューヨーク・タイムズなど複数のメディアが27日、トランプ政権の対中強硬派は過去数カ月、中国企業の米市場上場への制限を検討していると相次いで伝えた。関係者は、中国企業が米金融市場の抜け穴を利用し、財務諸表を適切に開示しないにもかかわらず、米投資家から資金を調達し米金融市場からの恩恵を受けていると批判した。

今年6月、米議会で超党派議員は、3年連続で米の証券取引法に順守しなかった中国企業を上場廃止にする法案を提出した。中国企業は、一部の財務報告を国家機密だと主張し、米国人株主に対する情報開示を拒否していることが問題視されている。

中国企業の米市場への上場を規制することで、中国企業への打撃は大きいとみられる。今年始めまでに156社の中国企業が米証券取引所で株式公開した。時価総額は1兆2000億ドル(約129兆円)にのぼる。

(翻訳編集・張哲)

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