トランプ氏の強要なし、米選挙関与調査の用意も=ウクライナ大統領

[キエフ 10日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、トランプ米大統領から強要は受けなかったとした上で、2016年米大統領選にウクライナが関与した可能性やバイデン前米副大統領の息子が勤務していたガス会社に対する調査を開始する用意があると語った。

トランプ大統領が7月に行ったゼレンスキー大統領との電話会談で、同国への軍事支援と引き換えに来年の米大統領選で対抗馬になると目されるバイデン氏の調査を行うよう圧力を掛けたとして、米下院ではトランプ大統領弾劾に向けた調査が進められている。

ゼレンスキー氏はキエフのフードコートで、記者団に順番に質問に応じるという異例の形式で14時間にわたり会見を開いた。ノーネクタイ姿で、ウクライナ語、ロシア語、時には英語を使い記者の質問に答え、全てのインタビューが終わったのは、真夜中を過ぎていた。

会見では、東部で続く親ロシア派武装勢力との紛争解決への取り組みや、ゼレンスキー氏とロシアのプーチン大統領との関係なども話題に上がったが、質問の大半はトランプ政権と同氏の関係に集中した。

ゼレンスキー氏は、7月の電話会談および9月の首脳会談で、トランプ大統領から強要はなかったと言明。7月の電話会談では米国が対ウクライナ軍事支援を保留したこについて認識しておらず、後に国防相から知らされたため、9月にポーランドでペンス米副大統領と会談した際に問題について伝えたと述べた。

また、7月の電話会談は首脳会談の設定が目的だったとし、首脳会談の開催に何ら条件はなかったと説明した。

同時に、バイデン氏の息子ハンター・バイデン氏が取締役を務めていたウクライナのガス会社ブリスマに対する合同調査に着手する用意があるとしたほか、「16年米大統領選へのウクライナの関与についても調査する用意があるが、実際に関与があったということが確認されなければならない」と述べた。

元コメディアンで、4月の大統領選では政治経験のないまま地滑り的な勝利を収めたゼレンスキー氏だが、ワシントンで繰り広げられるトランプ氏と野党民主党の政治的な争いに不本意ながら巻き込まれている。

ウクライナ検察当局は先週、プリスマの創業者に対する過去の捜査を再検証する方針を表明。ハンター氏が不正を働いた証拠は確認していないとも指摘した。

バイデン氏は前日、同問題を巡り「トランプ大統領は弾劾されるべき」と述べ、初めてトランプ氏弾劾について公言した。

※内容を追加しました。

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