中国当局、香港抗議活動支持の市民を相次いで拘束
中国当局は、香港の抗議活動を応援する市民への締め付けを強化している。上海市民の顧国平さん(62)を「騒動挑発罪」の疑いで1カ月拘束したほか、貴州民族大学の元女性教授(65)を15日間拘留した。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)14日付によると、元大学講師の顧さんは9月、滞在先の河北省で地元の私服警官に拘束された。その後、地元の上海長寧看守所に移され、10月11日に釈放された。顧さんは長年、強制立ち退きをめぐって上海市に陳情してきた。
6月に香港で、犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案への抗議活動が始まってから、顧さんは海外のウェブサイトにアクセスし、抗議デモの動きに注目し続けてきた。8月、大紀元時報と新唐人テレビの取材を受け、香港市民への支持を示した。
RFAによると、顧さんは拘束中、当局から厳しい取り調べを受け、「反共産党・反社会主義分子」と罵倒された。
貴州民族大学元教授の黄椿さんは9月24日、当局に連行された。黄さんは、国内ソーシャルメディア「微信」とツイッター上に、香港市民の抗議活動と1989年の大規模な民主化運動「六四天安門事件」の写真を投稿した。当局は「社会秩序をかく乱した」として、15日間黄さんの身柄を拘束した。黄さんは過去、インターネット上で中国当局を批判する書き込みを投稿し、海外メディアからの取材を受けたことがあったため、当局から監視されていた。
黄さんはRFAの取材に対して、当局は留置所や拘置所などの司法施設ではなく、貴陽市の武装警察駐屯地内に拘禁されたと話した。
「拘束された直後に、裸にされた。警察は私に囚人の服を着るよう強要した」
黄さんによると、同駐屯地内の施設に約1万人が拘禁されている。施設内に逃走防止用の電気柵や有刺鉄線が設置されている。
当局は10月7日に黄さんを釈放した。
RFAは貴州省や貴陽市での武装警察駐屯地を確認できなかった。ただ、「有刺鉄線や電気柵など、黄椿さんが話した駐屯地の様子と新疆ウイグル自治区にある強制収容所の様子は似ている。中国当局が各地で強制収容施設を増やしている可能性が大きい」との認識を示した。
(翻訳編集・張哲)