3人の子供に絵本を読んであげたい! そんな父が発明した特別なイスとは?
家具職人であるハル・タイラーさんは3人の子供を持つ父親である。当時、子供たちに本を読んであげるのが大好きだったハルさんは、3人目の子供ローズちゃんが生まれると、3人を抱えて本を読んであげられないことに頭を抱えていたという。
しかし、ハルさんの独創的なアイディアと家具職人ならではの技術力で、4人用の椅子を作ることに成功する。数カ月をかけて考案されたこの椅子は、「StoryTime Rocking Chair」(お話を聞かせるロッキングチェアー)と名付けられ、彼自身がゆったり座れるのはもちろんのこと、子供たちの座席部分にも配慮が加えられている。
彼の公式ウェブサイトでは「僕の膝に乗れる子供の数は限られているから、その欠点を補える特別な椅子を作る必要があったんだ。それがこのロッキングチェアだよ。これは正真正銘、子供たちに本を読み聞かせるためだけに作ったんだ」とコメント。
ハルさんは1992年からロッキングチェアを作っており、彼の人生は、美しく、快適な椅子を作ることだけのために捧げられてきたという。数年間の修行の末、顧客それぞれのニーズに合わせた、カスタムオーダーを専門とする椅子職人になっていったそうだ。特にこの「StoryTime Rocking Chair」はオンラインで注目を集め、すでに35脚ものレプリカを製造し、その内の5脚はアブダビ王室でも使われてるとか。
気になるお値段の方だが、1脚7,500ドル(約81万円)だそう。この値段設定についてハルさんは、少し高いかもしれないが、一生使えるものだからこそ、という気持ちがあるようだ。さらに椅子に使用される木材は、他の木材とのバランスも配慮されており、慎重に選ばれている。また、丁寧な椅子を作り上げるため、手作業も多いと説明する。
これらを踏まえ、1脚の椅子を完成させるのに数カ月はかかるそうだ。さらに椅子への熱意が絶えないハルさんは、現在「ロッキングチェア大学」と呼ばれる書籍を執筆中。彼が長年培ってきた椅子のデザインに使えるテンプレートなども織り込んでいるという。
彼の大作である「StoryTime Rocking Chair」はこの数十年で400脚は作られているとされ、いろいろな家族の元に渡っている。そんな素晴らしい椅子が、子供たちと本を読みたいという一心で作られたなんて、なんとも暖かい話である。
(大紀元日本ウェブ編集部)