11月4日、香港警察の記者会見で各報道機関の記者6人がヘルメットを着けて、警察の暴力と記者の拘束を抗議した(余鋼/大紀元)

香港の記者、警察の暴力に抗議 当局が記者会見を中止

香港現地時間4日午後、警察当局が開いた記者会見で、香港の記者6人が警察の暴力と報道関係者の逮捕に抗議したことで、当局は同日の会見を取りやめた。

記者会見で、香港メディア「明報」「立場新聞」「端傳媒」「am 730」と公共放送局「香港電台」など各社の記者6人は、ヘルメットを着用して記者会見に出席した。ヘルメットには「査警暴、止警謊(警察の暴力を調査せよ、警察の虚言を止めよ)」とのスローガンが書かれていた。

会見の司会を務めた香港警察公共関係科の高振邦・警司は記者らにヘルメットを外すよう要求したが、拒否された。その後、高警司は記者会見を中止すると発表した。

11月3日、警察当局は、香港島の太古城で抗議活動を取材中の「立場新聞」の契約カメラマンと香港浸会大学学生会に所属する学生記者の身柄を拘束した。

「立場新聞」が公開した動画によると、記者証を付けたカメラマンは当時、太古城のショッピングモールで、近距離から警官の様子を写真撮影していた。しかし、数人の警官らが突然、カメラマンを地面に倒し、床に抑え込んだ。カメラマンが「記者だ」と抵抗したにもかかわらず、警察は「公務執行妨害」の容疑で逮捕した。

4日の記者会見で抗議を行った6人の中の1人、「立場新聞」の陳朗昇記者は、会見が中止された後、他のメディアの取材に応じた。陳記者は抗議活動の最前線で取材している記者らは非常に危険な状況にさらされているとした。「警察側は、記者と警官は互いに尊重しなければならないと強調している。しかし現場では違う状況だ。われわれの同僚は、警官に催涙スプレーをかけられ、暴行されている。全く受け入れられない行動だ」と述べた。

陳記者はまた、警察当局が一方的に記者会見を中止したことは、市民の知る権利を侵害したとした。

香港記者協会、香港報道カメラマン協会、明報従業員協会、壹傳媒組合など各報道機関の関係団体が共同声明を発表し、警察による立場新聞のカメラマンおよび浸会大学の学生記者の逮捕を非難した。

浸会大学学生会は声明で、拘束された男子学生記者は当時、学生会が取得した有効な記者証を所持していたと強調した。学生会によると、警官らは逮捕した学生記者に対して、性的暴行をほのめかし脅かした。男子学生は連行される前、Tシャツをまくり上げ、「今、体には傷はない。拘束されても絶対、自殺しない」と抗議者らに述べた。

最近、香港で発見された「自殺」とされる一部の遺体には傷が残っている。

(記者・張家熙、翻訳編集・張哲)

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