少女売春容疑で起訴された米富豪ジェフリー・エプスタイン氏は8月、拘留中に自殺したとされる。しかし、弟は検死結果を受けて「殺されたかも」と主張している(GettyImages)

拘留中に自殺した米大富豪エプスタイン氏 「殺されたかも」弟が検死結果受け主張

未成年性的搾取の容疑で逮捕され、米ニューヨークの拘留施設で死亡した大富豪ジェフリー・エプスタイン氏(当時66)について、彼の弟はこのほど、専門家による検死結果をもとに、兄は自殺しておらず、さらに無実だと主張した。

政治家や著名人とも交友関係のあった富豪エプスタイン氏は7月、少女ら性的搾取で逮捕、起訴された。検察は8月、同氏が拘留中に自殺を図り、まもなく死亡したと発表した。

死亡した富豪の兄弟であるマーク・エプスタイン氏(65、以下マーク氏)は11月14日までに、地方紙マイアミ・ヘラルドの取材に応じた。同紙によると、元ニューヨーク検視官で法医病理学者マイケル・バーデン博士は、マーク氏の依頼を受けてエプスタイン氏の遺体を検死したところ、自殺ではなく他殺と疑われると分析したという。

エプスタイン氏の弟マーク氏は、ニューヨーク在住で不動産業を営んでいる。マイアミ・ヘラルド紙の取材で、マーク氏は兄と7年間面会しておらず、兄の仕事について関わったことはないとした。

エプスタイン氏は2006年、軽度の売春容疑で逮捕され、2008年には13カ月の禁固刑が下った。当時、電話した際には「非常に率直に多くのことを話してくれた」という。また、マーク氏が知る限りでは、2009年に釈放されて以後、兄は未成年の女性に対して違法な行為はしていないとした。

マーク氏は、兄に消えて欲しがっている人々がいたと述べた。「兄は多くの人々について、たくさんのことを知っていた」

バーデン博士はFOXニュース10月31日で、エプスタイン氏の検死について見解を述べた。博士は、別の法医学者と共に、ジェフリー氏の両手首や左前腕、首や舌骨の骨折など身体にある負傷は、首つり自殺でできるものではなく、絞殺によるものと結論付けた。

自殺報道当時の報道によると、エプスタイン氏はシーツを裂いた布で首をつったという。これについて、バーデン博士は、布に付着したDNAを検査されるべきだが、このDNA捜査情報は公開されていないとした。

マーク氏は、FOXニュースの取材に対して「兄は手錠をかけられ、もがいていたのか? 誰かが彼の手首を掴んでいたのか? 検察はこれを説明していない」と述べた。

バーデン博士の他殺疑惑に関する指摘について、ニューヨーク市のバーバラ・サンプソン主任検視官は否定した。「エプスタイン氏の死因は首つり自殺であるとの判定を堅く支持している」

バーデン博士は、エプスタイン氏が死亡した8月、手首のケガについて説明を要求しているが、まだ回答を得られていないという。

マーク氏はまた、8月中旬にニューヨーク市福祉保健局から、ジェフリー氏の資料を取得しようとしたが、米国司法省の処理を得なければならないとして、開示を拒否されたという。

「私は(資料請求を)2回行ったが、何も回答を得られていない。他者が調査中だと言われ断られた」「兄はもしかしたら、殺害されたかもしれない」とマーク氏はFOXニュースに述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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