メンタルヘルスと東洋医学
時間の流れが速く、孤独な現代、精神的な疾患を患う人はたくさんいます。東洋医学では、患者の症状に合った漢方や鍼、生活習慣を変えるということが精神的な病気には効果的だとしています。
身体の不調は体のバランスが崩れることで起こります。体に熱が籠る、もしくは水分の不足があらゆる病気を引き起こします。従来の東洋医学では水は陰で、熱は陽とされます。そして特に陽が不足している次の3つの場合に身体に症状が現れます。
1つ目は気分の落ち込みによるもので、悲しくなって気分が沈んだり、不安になったりします。また2つ目は、活動のレベルが下がることによるもので、何に対しても興味がなくなったり、常に疲労感あり、眠気を感じたりします。3つ目は精神的な落ち込みによるもので、思考能力が落ちます。仕事や勉強にも支障をきたしたり、何かを決める時にも頭が働かず決断を下すことができなくなったりします。
これらの症状はすべて陰に関係しているので、こういった症状を緩和するためにはもっと陽を増やして陰陽のバランスを取ることが大事。そのためには、ウォーキングやストレッチなど軽い運動をしたり、家の外で過ごしたりすることが大切です。
人間の細胞の状態を良好に保つには栄養のバランスが大事です。ビタミン、ミネラルなどの栄養素や体を動かすエネルギーになる食べ物も大切です。そして、脳にはニューロンを発動させ体を動かすための電気信号が必要なのです。東洋医学ではこのエネルギーのことを「気」と言い、呼吸をし、食べ物を食べることで体に気が宿ります。
そしてツボへの刺激が体の特定の機能を活発にさせるのです。これからメンタルに効果的なツボをいくつかご紹介しましょう。
百会 あらゆる経絡が出会うという意味の名前のツボです。その名前の通り色々な機能を高める働きがあります。鼻から頭頂部の中心まで引いた線と左右の耳を頭越しに結んだ線が交わるところ、頭頂部のほぼ中央にあるツボです。指やげんこつで軽くツボを押さえてみてください。
内関 このツボを押すと、睡眠の質が上がると言われており不眠症、ストレス、乗り物酔いにも効果的です。内関は2本の腱の間、手の関節の横ジワから指3本の幅ほど肘に向かったところにあります。親指でツボをマッサージします。
神門:このツボを押すと精神の落ち着きが得られます。特に不眠症やウツ病に効果があります。このツボは手首の内側、小指の下にあります。
心と体は密接につながっていて、感情が思考をコントロールします。皆さんも気分の落ち込み、不安などを感じたら軽い運動やツボ押しなどを試してみるとよいでしょう。
(大紀元日本ウェブ編集部)