ロシア出身のベラ・シュルツさんは以前、拒食症でした。固形の食べ物を食べて体重が増えるのを恐れ、どんどんやせ細っていきました。
2014年、当時学校に通っていた彼女の体重はわずか約32キロしかなく、エネルギーが足りなくなって気を失ってしまうことが頻繁にありました。学校に毎日通うのもやっとでした。借りている部屋が建物の5階にあり、エレベーターがなかったので、階段を上って部屋に辿り着くまで1時間もかかっていました。
ベラさんは「常に息ができなくて苦しかったんです。よく失神して倒れていました」と話してくれました。
彼女の家族はベラさんがそういう状態で苦しんでいることは全く知りませんでした。
しかし、ジムに通い始めてから彼女の人生が180度変わりました。自分の体を愛し、大切にするようになったのです。すると食生活が健康にとっていかに大切かということが分かり、食生活も変わりました。
最初は果物や生野菜しか食べられませんでしたが、徐々にプロテインを取って、筋肉をつけていきました。
2017年、彼女の体重は60キロまで増え、とても健康的な体つきになりました。そして、驚くべきことにジムに通ってくる利用者をサポートするパーソナルトレーナーとして元気に働いているのです。
自分の力で拒食症を克服するのは並大抵のことではありませんが、彼女はそれを見事に成し遂げたのです。
【統計】
国立精神衛生研究によれば13~18歳の若者の2.7%が何らかの摂食障害を患っているとのことです。
アメリカ合衆国ミネソタ州にあるメイヨークリニックは拒食症が命にかかわる恐ろしいものであるとしています。拒食症に悩む人は自分の体重をコントロールするために大変な努力が必要であり、そのままにしておくと健康を損ない、生活にも支障が出るほど恐ろしい病であるとしています。
多くは10代、もしくは成人期の早い段階で摂食障害になると言われ、全米では男女問わず約3000万人もの人々が摂食障害に悩んでおり、100人に1人のアメリカ人女性が拒食症に悩まされています。
またアメリカの摂食障害ホープという団体によれば、摂食障害は「あらゆる精神的な病のうち、一番命を落とす可能性が高い病」であると発表しています。摂食障害患者のうち約4%の人が、命を落としているということです。そして三分の一の人だけが摂食障害に対しての何らかの治療を受け、克服しているというのが今の悲しい現実なのです。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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