日本で反臓器濫用シンポ 弁護士「アジアで移植渡航停止のファイアウォール作りを目指す」

中国国内では良心の囚人の臓器が強制摘出・移植されている問題で、日本の有志者組織「移植ツーリズムを考える会」は11月28〜30日までの日程で、日本と台湾、韓国の司法や医学専門家を迎え、都内で報告会を開催した。専門家は、日本でも移植ツーリズムを停止する法律が早期に制定されるよう日本政府に求めた。

28日、来日した台湾国際器官移植関懐協会の黄士維副理事長、呉育璘国際部主任が、山本ともひろ防衛副大臣を訪問し、中国渡航移植を制止する法改正の要望を申し入れた。

29日、「移植ツーリズムを考える会」は国会議員会館で、中国の臓器強制摘出問題について報告会を行った。事務局長・野村旗守氏は国会議員の認知のみならず、同問題に関するメディアの報道が増え、臓器移植に関わる問題の認知を高めることで、移植法の改正に繋がると述べた。

台湾の人権弁護士で米ニューヨークの臓器移植倫理組織TAICOT顧問も務める朱婉琪弁護士は、「日本の国会議員は問題を認知し、非常に憤りを感じているし、法輪功の迫害についても知っている。(移植ツーリズム抑制の)法律を促進するために前進し、日本国民が臓器移植のために中国本土へ渡航するのを停止し、生きたまま人から臓器を摘出するというおぞましい問題を止めなければならない」と述べた。

30日、日本、台湾、韓国からの司法、医療、メディアの専門家が集まり、東京大学で臓器濫用問題に関するシンポジウムを開催した。これは世界移植医学会が、「渡航移植の実施を禁止」とする2008年イスタンブール宣言制定11年を記念する。

国立台湾大学医学部の蔡甫昌教授は、「自国の臓器提供を促進し、患者が寄付を受け取る機会を増やす必要がある。他方で、違法な臓器移植を抑制するために移植までの仕組みに透明性を高めなければならない。違法な仲介者も法の支配の下で取り締まれるようにするべきだ」と述べた。

このシンポジウムの後、日本と台湾、韓国の医師や弁護士からなる有志者組織は、渡航移植停止に関する同盟を結んだ。朱弁護士は、「より多くの主流社会が臓器収奪問題に注意を払うよう、アジア地域で旅行法のファイアウォールを作ることを進めたい。中国への移植ツーリズムを停止するためには、具体的な行動をとる必要がある」と述べた。

中国では2000年代初めから、政治犯や無実の囚人から強制的な臓器摘出が行われているとの疑惑がある。人道犯罪を検証する独立「民衆法廷」(議長ジェフリー・ナイス卿)は今年6月、最終裁定として、「中国では相当の期間にわたって臓器収奪が行われ、相当数の犠牲者を生んだことは異論もなく疑いの余地はない」と結論付けている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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