8月28日、香港で行われた、性暴力の停止を訴えるMeToo集会(大紀元)

香港、後絶たない性被害の訴え 本土警察の虐待手法を持ち込みか

香港高等教育代表団の国際問題代表団スポークスマン・邵嵐氏はこのほど、大紀元英字版の取材に対して、デモに参加していない少女4人が警官に逮捕され、性的暴行を受けたと語った。また、12月8日、ニューヨーク・タイムズは、香港の女性抗議者が中絶のために台湾に渡ると計画している、と伝えた。女性は、香港警察によって性的暴行を受けたと主張している。

香港で半年あまり続く民主運動のなかで、香港警察は若い抗議者に性暴力を加えている。被害者による告発が相次いでいる。中国本土では拘束者に対する性的虐待が横行しており、人権派弁護士の高智晟氏、共産党政権に弾圧されている法輪功学習者らが証言している。中央政府が香港に本土警察官を送り込んでいると疑う声が高まっている。

香港婦女性暴力協会はオンラインで、「容疑者本土移送」条例の反対運動のなかで、性的暴行に関する調査を行った。協会は10月6日に調査結果を発表したところ、67人が性的虐待があったと訴えた。9割は女性で、20〜29歳、大学教育(学士号)以上だった。回答者の約半数は1回、11人は5回以上の暴行を受けたとした。

また、回答者の大半が、警察に被害届を出すことを嫌っている。8割が、届け出が、性的暴行の容疑者の逮捕に繋がるとの有効性を疑っている。

香港政府はこれまで、警察の暴力を調査するための独立した調査委員会の設置を拒否している。

香港の人々は、警察の性的暴行に怒りを示し、8月からさまざまなデモや集会を行っている。8月28日、香港平等機会女性協会は#Me Tooラリーを開始し、3万人以上の香港人がチャーターガーデンに集まり、警察による性的暴行の停止、真相追及を訴えた。香港で毎週末行われるデモや集会のプラカードの一部は、「獸禽黑警 凌辱虐打 輪姦少女(黒社会と癒着する獣の警官が少女を侮辱、輪姦している)」と書いている。

9月8日の香港デモの様子。プラカードの一部は、「獸禽黑警 凌辱虐打 輪姦少女(黒社会と癒着する獣の警官が少女を侮辱、輪姦している)」と記されている(大紀元)

本土からスカウトされた「香港警察」

香港インターネットメディア・852ポストの創立者兼編集長である游清源氏は、大紀元の独占インタビューで、元香港警察長官・曾偉雄氏氏は中国本土の公安、武装警察、人民解放軍の予備兵士から人材を募り、「香港警察」として勤務させたという。

「実際、彼は香港警察ではなく、本土の武装警察だ。これは公然の秘密だ」と述べた。

中国本土で共産党により迫害された信仰者、少数民族、陳情者、弁護士などは、中国公安や警官により、拷問や尋問を理由に性的暴行を受けている。

米国の非政府組織・中国人権擁護者(CHRD)が2015年に発表したレポートで、中国本土にある公式登録のない「黒(ヤミ)監獄」では、性的虐待の問題があり、約1000件あまりの事例を紹介した

遼寧省瀋陽市からの陳情者・李華さんは、36カ月間、残忍な拷問で知られる馬三家労働教養所に収容された。出所後、李さんはその被害を暴露した。「胸と性器に高圧電流棒を当てられ、電気棒を膣に突っ込み、とうがらしの粉を陰部にかけ、縛った数本のブラシを膣に挿入され、動かされた」

2007年、北京に住む楊佳(死刑囚)さんは、警官とのトラブルで連行された。尋問の際、鉄格子の椅子に縛られたまま性器に高圧電流棒を受け、生殖機能を失った。楊さんは2008年、復讐のために警察署を襲撃し、6人の警官を殺害した。楊さんには同年、死刑判決が下り、同年執行された。

「中国の良心」として知られるキリスト教徒の人権弁護士・高智晟氏は、2007年11月28日の文章で、自身が受けた性虐待について証言した。「王(看守)が私の性器に電気ショックを与え始めたとき、私は止めるよう懇願した。この行為をからかわれて、さらに残酷な拷問が続いた。王は電気ショックを4回続けた。10分以上叫び、痙攣が止まらなかった。地面にひざまづいたまま、彼らはつまようじで性器を刺した。この苦痛と絶望は言葉では表現できない」

2015年12月の高智晟弁護士、自宅で撮影(大紀元資料)

2005年、高智晟弁護士は、当時の共産党指導者に法輪功迫害の停止を呼び掛け、学習者の弁護を行っていた。卑劣な迫害を明らかにするために、公開告訴状を提出した。

「ほぼ100%の学習者は迫害の過程で性器が攻撃を受けた。拷問の前、性別に関係なく身に着けた衣服は全部脱がされる。いかなる言葉も、この政府の不道徳さと卑猥さを言い表すことはできない!」

法輪功への弾圧を世に明かした高弁護士もまた、残忍な迫害の対象となり、以後、連行と収監、釈放後の自宅軟禁が繰り返されている。現在は行方が分からない。

米議会で2016年4月14日に開かれた「広範囲に及ぶ中国の拷問」で、中国遼寧省から米国に亡命した尹麗萍さんが証言した。尹さんは法輪功の学習者。瀋陽市の張士労働教養所で男性収容者と同室にされ、集団レイプされた。尹さんによると、少なくとも33人の法輪功を学ぶ女性が暴行されたという。

変化する香港抗議者のスローガン

香港警察による暴行が明るみに出るにつれて、国際社会でも、弱者に対する性暴力を停止するよう呼びかける声が高まっている。

11月5~8日まで、台湾の高雄市で、女性の権利に関する「第4回世界女性シェルター会議」が開催された。すべての国の政治指導者、学者、人権団体が香港との連帯を主張し、闘争における性暴力に強く反対するとの意見で一致した。

11月27日、米国で「香港人権・民主主義法」が成立した。これには、香港の基本的な自由と自治を損なった者に対する制裁が含まれる。

過去6カ月間、中国共産党の残酷さを目の当たりにした香港抗議者は、スローガンを当初の「香港人加油(香港人、頑張れ)」から、「香港人抵抗(香港人、抵抗せよ)」「天滅中共(神は中国共産党を滅ぼす)」へと変化させた。

(羅瓊/翻訳編集・佐渡道世)

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