【紀元曙光】2020年1月2日

2回目の東京五輪の年がきた。大いに楽しみにしているが、せっかくの機会なので、競技以外のことについても考える年にしたいと思う。

▼1回目、といえば56年前の1964年。敗戦国の日本が、わずか十数年でよくも復興したものだと内外ともに驚いた。まだ戦後の風景が残っていた東京のあちこちを掘りかえして道路をつくり、その上に鉄蓋のような高速道路を重ねた。東京に、空がなくなった。

▼筆者は当時1歳なので、直接的な記憶はない。ただ時代の雰囲気として、舞い上がる粉塵に目をふさぎ、杭打ち機の轟音に耳を押さえていたのを覚えている。それを支えたのが日本人の懸命な労働だったことは誇りとしてよいが、やはり前時代の精神主義を是認するなかに社会があり、スポーツもどこか悲壮感をともなっていた。

▼アスリートと呼ばれる選手の練習が過酷なのは、今も昔も変わりない。それでよいし、それでこそスポーツの醍醐味があるというものだ。ただ昔と同じでないこととして、選手をとりまく環境が、明るく、軽く、粘性の低いものであってほしいと願う。

▼円谷幸吉選手の悲話を記憶している人は、もう多くないだろう。昨年2月、水泳の池江璃花子選手が白血病と判り、当時の五輪担当大臣が「がっかりした」と言って顰蹙を買った。発言の一部であったにせよ、古い頭からでた言葉に、こちらががっかりして凍りついた。

▼その池江さんが12月17日に退院したと聞いた。2024年のパリ五輪を目指すという。スポーツの感動は、競技場の外側にもある。ひたむきな選手の日々を、静かに見守りたい。

関連記事
甘くて心地よい糖分に慣れていると、糖を断つのは耐えられないでしょうか?糖を断った後の利点を考えると、それが絶対に価値があると思うでしょう。 「あなたの体は糖(加糖)を必要としていません」と、2型糖尿病の逆転に長期間注目している腎臓病専門の馮子新氏は大紀元のインタビューで述べ、糖を断った後、あなたの体には予想外の変化が起こると言っています。
このごろ、雨が降り続く中国各地では、雨上がりになると「危険な巨大カタツムリ」がたくさん出現しており、ネット上でも話題になっている。
米連邦控訴裁判所は、COVID-19パンデミックによる陪審裁判の停止措置を理由に、刑事事件を2度却下した判事をその事件から解任した。5第9巡回控訴裁判所の3人の裁判官は、ジェフリー・オルセン氏に対する訴訟はコーマック・カーニーから別の判事に再割り当てされると発表した。
米アラバマ州のパパが、10年以上にわたってトレードマークだったヒゲを剃り、子供たちに衝撃を与えました。
白衣を身にまとい、蓮の台座にたたずみ、柳の枝を片手に、純水の入った壺をもう片方の手にする観音菩薩は、慈母観音としても知られます。