中国国防長官から「国賓来日に向けて世論統制を」河野防衛相が断る
河野太郎防衛相は1月17日、衆議院の安全保障委員会のなかで、中国軍制服組トップから、習近平主席の国賓としての日本訪問に向けて、世論統制を促されていたことを明らかにした。防衛相は「日本はメディアおよびSNS(ソーシャルサイトでの表現)の自由がある」とし、言論統制を一蹴したという。
河野防衛相は委員会で、昨年12月19日の魏鳳和国防部長との会談内容について語った。防衛相は魏部長に対して、相次ぐ沖縄県の尖閣諸島における侵犯は両国関係が悪化する要因であるとして、訪日ムードの形成については中国側の改善努力を促したという。
1月14日、戦略国際問題研究所(CSIS)で開かれた第26回日米安全保障セミナーでも、河野防衛相はスピーチのなかで、過去の中国国防長官との会談内容に触れている。日本当局が2017年、太平洋における影響力の拡大について中国国防長官に懸念を伝えたところ、「日本は単に慣れる必要がある」との回答だったという。この発言から、河野防衛相は、中国軍による太平洋地域での活動の積極性が維持されるだろうと予想している。2019年、航空自衛隊による中国機に対するスクランブル発進は600回以上に及ぶ。
河野防衛相は2019年12月27日、防衛省での記者会見で、今年の漢字に「尖」を選んだ。理由は、尖閣諸島の侵犯問題の重要性を強調し、また防衛相として「尖った対応を取る」と今後も硬派な態度を示していくことの現れとした。
(編集・佐渡道世)
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