スウェーデン外務省、中国大使を呼び出し抗議「報道機関を脅した」

スウェーデン外務省は21日、中国の桂従友・駐スウェーデン大使を呼び出し、同氏がスウェーデンの報道機関を脅したとして抗議した。

AFP通信の報道によると、桂大使はこのほど、スウェーデン・テレビ(SVT)のインタビューを受けた際、スウェーデンのメディアが中国に「批判的な報道を行っている」と非難した。大使は、ボクシングの試合にたとえ、「48キロのフライ級選手」であるスウェーデンが、「86キロのヘビー級選手」の中国に挑もうとしていると話した。さらに、大使は、「忠告を聞き入れないフライ級の選手が挑発し続け、ヘビー級の選手の家まで押しかけたとしたら、ヘビー級選手には(彼をやっつける以外)選択肢はないだろう」と述べた。

同国のアン・リンデ外務相はSVTの取材に対して、桂大使の言論は「意図的にメディアに圧力を掛けている」「受け入れられない脅しだ」とした。

SVTは報道の中で、中国大使館の職員らがこれまで複数回、スウェーデンの主要メディアは「中国を誹謗するクセがある」と批判し、メディアの報道に干渉してきたと指摘した。

中国当局は2018年、スウェーデン国籍の作家・桂民海氏を拘束した。同氏は香港で、中国の禁書を取り扱う書店「銅鑼湾書店」を経営していた。これ以降、両国の外交関係が悪化した。昨年11月、スウェーデンの市民団体が桂民海氏に言論の自由を称える賞を与えた。授賞式にはアマンダ・リンド文化・スポーツ・民主主義・少数民族担当相が出席した。これを受けて、桂従友大使は、リンド氏に対して「中国への入国を禁止する」「中国内政への干渉だ」「報復措置をとる」と怒りをあらわにした。

1月13日、同国議会のラース・アダクトゥソン(Lars Adaktusson)議員(キリスト教民主党)は、「桂従友氏を国外退去の対象にすべきだ」と政府に求めたことを明らかにした。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。