米トランプ政権、妊婦に「短期ビザを発給しない」 出産ツアー抑制で
トランプ米政権は23日、「出産ツアー」目的で入国しようとする妊婦に短期ビザを発給しない方針を発表した。
匿名の当局者は22日、大紀元の取材に対して、「この方針は、出産ツアー産業に関わる犯罪行為、国家安全保障と法執行のリスクに対応することを目的としている」と語った。
国務省が2019年12月に発表した米国務省の「B非移民ビザ条項変更」に関する文書で、「観光のための短期訪問に、出産ツアーは含まれていない」と明記している。
AP通信によると、今後、妊婦が観光ビザを取得するには追加の承認が必要になる。また、ビザ担当官は、訪米目的が出産かどうかを確認する。
出産ツアーは、米国などの出生無条件市民権付与制度を乱用したビジネス。企業広告によれば、予定日の2カ月前に観光ビザで訪米し、出産から1カ月で帰国する。往復航空券、ホテル代、医療ケアを含め費用は数万ドル。宿泊施設により費用には幅がある。入国予定の妊婦には「入国管理局に見つからないように、ゆったりした服を着る」よう助言している。妊婦の国籍は中国やロシアが多い。
2019年1月31日、米当局はカリフォルニア州で、出産ツアーを企画、実施した中国人20人をビザ詐欺や資金洗浄などの容疑で逮捕、起訴した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは1月、日本人女性の証言をもとに、香港エクスプレス航空がサイパン行きの便で、女性に対して妊娠検査を行っていると報じた。 サイパンは中国人の出産ツアーの人気渡航先で、北マリアナ諸島当局によると2018年、外国籍女性の出産件数が現地住民の出産の件数を超えた。
米当局は、出産が目的で訪米する外国人女性の人数を把握できていない。移民法の厳格化を主張する民間組織・移民研究センターは、2012年に約3万6000人の外国籍女性が米国で出産し、その後出国したと推定した。
(ZACK STIEBER/翻訳編集・佐渡道世)