武漢P4研究所、中国軍の生物化学兵器最高責任者が引き継いだと報道されている。写真は2月9日北京で、体温検査を受ける市民。参考写真(GettyImage)

武漢P4研究所、中国軍の生物化学兵器専門家が責任者に=情報

中国軍の生物化学兵器防衛の最高責任者である陳薇(54)少将が、最近、武漢のP4ウイルス研究所の責任者を引き継いだと報じられている。公式発表はない。

中国軍機関紙・解放軍報は1月31日、陳薇少将が湖北省武漢市に入り、市の新型コロナウイルスによる肺炎の防疫対策に当たっていると報道した。

ポータルサイト微博豆瓣2月7日によると、陳薇少将は10日以上武漢に滞在している。陳少将は、中国の生物化学兵器防衛の第一人者で、軍事医学科学院生物工学研究所の所長。陳氏はまた、SARS期間中に専用の防疫スプレーを発明し、1万4000人の臨床医療従事者の感染を回避させたという。

さらに、陳氏はエボラウイルスと炭そ菌の治療において「顕著な成果を上げた」と軍広報紙は伝えている。

武漢発の新型コロナウイルスの発生以来、中国科学院武漢国家生物安全実験室、通称武漢P4実験室(バイオセーフティーレベル4研究所)が、特別な注目を集めている。同研究所は、ウイルスの発生源とされる海鮮市場から約30キロの地点に位置する。一部の医学論文では、コウモリ由来のコロナウイルスを研究する科学者が、人体に適応するように遺伝子操作していると指摘した。

武漢ウイルス研究所の石正麗氏は2月2日、ソーシャルサイト微信で、「新型コロナウイルスは実験室と無関係であることを命をかけて保障する」と書き込んだ。

しかし、武漢P4研究所は、2018年に学術誌「ネイチャー」の研究報告をはじめ、ウイルス漏えいの事例が報告されていることから、管理体制がずさんであると問題視されている。中国のソーシャルサイトには、匿名の人物が「実験用動物をペットとして転売したり、死体処理が不適切だ」と告発している。

米メディアABCによると、2月6日、ホワイトハウスは、米国科学者と医学研究者に対して、新型コロナウイルスの発生と原因について、調査するよう求めた。

ホワイトハウス科学技術政策局長のケルビン・ドロゲマイヤー(Kelvin Droegemeier)氏は、米国立アカデミー院長のマルシア・マクナット(Marcia McNutt)氏に宛てた書簡で、感染症の由来が大きな論争を呼んでおり、正確な情報が緊急に求められていると書きこんだ。「公衆衛生上の緊急性に関わる情報はタイムリーに公表されるべきで、情報に錯誤があった場合は混乱を招きかねない」としている。

米科学技術政策局はまた、新型コロナウイルスの研究に対する幅広い情報提供を呼び掛けている。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。