【紀元曙光】2020年2月13日

ゾンビのごとき邪悪の亡霊が、再び出現したのか。「抓四類」という言葉を、最近の中国語のなかに見つけた。日本語に訳せば「4種類の人間を捕まえろ」だが、はじめ筆者には、その意味が分からなかった。

▼筆者の遠い記憶では、この「四類」とは1950年代から70年代の中国で、狂気のように叫ばれた政治スローガンだったはずだ。社会主義「新中国」において、打倒すべき4種類の人間、つまり旧時代の地主、富農、反革命分子、悪分子(ごろつき)を指す。

▼これらに該当すると見るや(該当しない人であっても、加害側の実績づくりのため)片端から捕縛して、壇上に吊るし上げ、大群衆がこぞって激しい批判と罵倒を加えた。頭には紙製の三角帽子。首からは「罪状」のプラカード。すさまじい虐待を受けた被害者は、精神が崩壊して狂死するか、集団暴力によって虫のように殺された。

▼人民裁判や批判闘争大会など、過激な政治運動が実際に行われたのは、もう50年以上前のことだ。しかし邪悪の亡霊は、半世紀が過ぎても消滅しないらしい。

▼新型コロナウイルスによる肺炎が広がる現在の中国で、この「抓四類」が叫ばれている。4種類とは、新型肺炎の「確実な患者」「疑いある患者」「肺炎症状で熱のある患者」「確実な患者と濃厚接触した人」だと言う。

▼その現代版「四類」を強制的に隔離するため、文化大革命期を彷彿とさせるような、すさまじい暴力が公然と行われている。記憶に新しい例で言うなら、昨年の香港で警察が一般市民に加えたような惨劇が、いま中国本土にあふれているということだ。

▶ 続きを読む
関連記事
基隆の海鮮の美味しさ、私だけが知っているなんてもったいないです。今回は基隆の八斗子漁港へ足を運びました。地元ガイドさんに案内してもらい、彼の心温まるもてなしで八斗子漁港の絶景を存分に楽しみました
紀元前6世紀のアテナイで、深刻な貧富の格差から生じた負債奴隷の危機を救った伝説の政治家ソロン。独裁を拒み、富裕層と貧困層の「共通の盾」として中庸を貫いた彼の法改革と、正義を重んじた生涯を解説
魚に含まれるオメガ3脂肪酸やコリンは、子どもの脳や行動の発達に関わる可能性があります。研究結果と注意点、食べやすくする工夫をあわせて紹介します。
その不調、実はストレスではなく神経のサインかも?闘争・逃走モードにとらわれた体が発する9つの兆候と、気づくためのヒントをやさしく解説します。
子どもに本物の芸術体験を――その第一歩は家庭から。日常の中で無理なく文化に触れられる8つのアイデアを通して、感性と好奇心を育てるヒントを紹介します。