中国武漢市の紅十字会医院。写真は1月25日撮影(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

独研究チーム「新型コロナウイルスは物体の表面で最長9日間生存」

国際科学ニュースサイト「サイエンス・アラート(Science Alert)」2月13日付によると、ドイツの研究チームが、物体の表面に付着する新型コロナウイルスが最長9日間生きられる可能性を示唆した。

同報道によると、物体に付着した新型コロナウイルスがどれくらいの時間生きられるかを調べるために、ドイツのグライフスヴァルト大学附属病院(Greifswald University Hospital)の研究チームは、新型コロナウイルスに近いSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)のコロナウイルスに関する研究文献22本をレビューした。

研究チームは、SARSとMERSは、これらのウイルスを付着させた物体の表面で、室温で最長9日間、感染力を維持したことを発見した。これと比較して、麻疹ウイルスは、物体の表面での生存時間は最長2時間だという。また、一般的にこの種のコロナウイルスは、アルミニウム、木材、紙、プラスチック、ガラスなどの材料で平均4~5日生存できるという。

この研究チームを率いるグライフスヴァルト大学附属病院のギュンター・カンプ(Günter Kampf)医師は、「低温と高湿度の条件で寿命はさらに延びる」と話した。

この調査結果https://www.journalofhospitalinfection.com/article/S0195-6701(20)30046-3/fulltextは1月22日、国際医学誌「ジャーナル・オブ・ホスピタル・インフェクション(Journal of Hospital Infection)」に掲載された。

カンプ医師らは、コロナウイルスの感染拡散を減らすために、各病院に対して、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、エタノールから作られた消毒液を使って、「病院にあるドアノブ、コール・ボタン、ベッドサイド・テーブル、ベッドのフレーム」など、物の表面を入念に消毒することを提言した。

ただ、研究者らは、今までの研究対象は今回の新型コロナウイルスではないため、新型コロナウイルスの感染者が、汚染された物体の表面に触れて感染したというデータがないと指摘した。

同報道は、新型コロナウイルスが、SARSやMERSのコロナウイルスより感染力が強いことを考量すれば、「頻繁に手洗いを行うことや、公共の場所を消毒することは百利あって一害なしだ」と強調した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。