日本の昔話:骨惜しみをした馬
ある人、市場より馬に塩を負わせて家に帰り、途中で一筋の川を渡りました。
馬はその川で石につまずき、誤って倒れ、塩が水に溶けてしまいました。身軽になった馬は、喜びました。
次の日、また塩を背負った馬が川を渡りました。前の日のことを思い出した馬は、わざと転んで塩を溶かし、身軽になって帰りました。
主人は馬の悪知恵を悟り、こらしめようと思いました。
その次の日、主人は市場で多くの草鞋(わらじ)を買い、馬に背負わせました。馬は、例のごとく荷を軽くしようと川で倒れました。しかし、今度の荷物は水に濡れると、かえって目方がふえ、数倍も重くなってしまいました。馬は汗を流して草鞋を運び、ようやく家に帰りました。
参考:明治二十年尋常小学校読本
(大紀元日本ウェブ編集部)
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