時折、日本の各社の新聞を、拾い読みさせていただいている。
▼ある大手新聞の8日付け記事に、こんなのがあった。中国における新たな感染者数が、「日本の増加ペース下回る」という。本当かと思って読めば、中国国家衛生健康委員会のいう新型コロナウイルスの中国本土の感染者数と死亡者数があり、その増加の度合いが緩やかになった、と書かれている。
▼「中国当局がそう言っているという事実」を伝えるのも、報道の一部ではあろう。ところが、その後に続く記者の文章では、「新たな感染者は2日連続で100人を切った」と検証もなく肯定した上で、「中国の増加ペースが日本を下回った」と結論的に書いてしまった。これは記事として、まずい。日本の読者の誤解を招くだけだ。
▼中国当局が発表する数字は全て恣意的であり、良いことは多く、悪いことは少なく、それぞれ桁外れに増減させている。そのことをご存じないのかと、他社の新聞ながら一言申し上げずにはおれない。
▼周知の通り、中国国家衛生健康委員会とは、中国の国会である国務院に所属し、その国務院は一政党である中国共産党の支配下にある。さらに、その中国共産党は7人の政治局常務委員の指導下にある。組織として独立した機能をもたされるはずもなく、感染者や死亡者の数字も、おのずから「大本営発表」となる。
▼火葬場が24時間フル稼動している。遺体袋が足りず複数の人をまとめて入れている。病院とは名ばかりの強制隔離施設を今も増設している。それらを大紀元は山ほど伝えているが、同業他社は、ご覧になっていないらしい。
【紀元曙光】2020年3月9日
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