米上院委 ファウチ氏を議会侮辱とする決議を可決 今後の手続きは

2026/08/07 更新: 2026/08/07

米上院国土安全保障・政府問題委員会は8月6日、アンソニー・ファウチ元米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長を議会侮辱で告発する決議を、党派別の採決で可決した。ファウチ氏は7月29日の公聴会で、自己負罪拒否特権を定める米憲法修正第5条を援用し、質問への回答を拒否していた。決議が今後、上院本会議や司法省への付託に進むかが焦点となる。

委員会は党派別の採決を行い、共和党のランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)が主導した決議を承認した。決議は、元大統領首席医療顧問のファウチ氏を議会侮辱で告発する内容である。

2022年に引退した現在85歳のファウチ氏は、7月29日の公聴会で、自己負罪拒否特権を保障する憲法修正第5条を100回以上援用し、上院議員らの質問への回答を拒んだ。

ファウチ氏は38年間にわたりアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)を率い、アメリカの感染症対策を象徴する人物として知られてきた。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の期間中、アメリカでは110万人以上が死亡し、当時の同氏の対応には厳しい批判も寄せられた。

トランプ大統領や多くの保守派は、ファウチ氏が外出制限、マスクの着用、人との距離をとる対策を推進し、ワクチン接種を促したとして批判してきた。ワクチンの安全性と有効性が示されている一方、その普及をめぐる議論は大きく政治問題化した。

ファウチ氏は、これらの対策はいずれも当時得られていた科学的根拠に基づくものだったと主張している。

ファウチ氏は委員会で、ポール氏が自分を召喚したのは、同氏が繰り返し公言してきた「ファウチ氏を投獄すべきだ」との主張を裏付ける証言を、強引に引き出すためだと述べた。

議会侮辱決議後の手続きと上院本会議の行方

議会侮辱での告発は通常、まず議会の委員会で承認された後、上院本会議で採決にかけられる。本会議で可決するには60票の賛成が必要になる可能性が高く、民主党議員の支持が欠かせない見通しである。

ただ、ポール氏は上院本会議での採決を経る必要がない可能性を示している。

ポール氏はFox News Digitalに対し、法的な意見書を添えれば、この問題を直接、司法省に付託できるとの見解を示した。

手続きが進めば、ジャニーン・ピロ氏が率いるワシントンD.C.地区の連邦検事局が内容を精査し、大陪審に起訴を求めるかどうかを判断することになる。

バイデン前大統領による予防的恩赦と法的な争点

バイデン前大統領は2025年1月、新型コロナウイルス対策や、それに関するファウチ氏の役割をめぐり、「不当かつ政治的動機に基づく訴追」を防ぐため、同氏に予防的恩赦を与えた。この恩赦は、恩赦後に行われたファウチ氏の行為には適用されない。

ポール氏は、恩赦によって修正第5条に基づく保護は失われるため、ファウチ氏が同条を援用した根拠は成り立たないと主張した。また、ファウチ氏は一度証言した時点で、残された保護も放棄したと述べた。

ただ、ポール氏は以前、Fox News Digitalに対し、「これは検討に値する法的問題だ。司法省への付託を求める際には、こうした法的論点を明確に示す」と語っている。

コロナ禍で使用した携帯電話データを上院側に提出

ポール氏はこれまで、ファウチ氏がNIAID所長在任中に「高リスク」の研究に資金を提供した結果、新型コロナウイルスが中国の研究所から流出した疑いにつながったと主張し、同氏の収監を求めてきた。

一方、ファウチ氏が感染拡大の期間中に使用していた携帯電話の複製データは、現在、上院の共和党側の調査担当者に渡っている。

Fox News Digitalは、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が率いる保健福祉省が、この携帯電話の複製データを上院国土安全保障・政府問題委員会の常設調査小委員会に提出したことを確認した。

小委員会の委員長は、共和党のロン・ジョンソン上院議員(ウィスコンシン州)である。

この小委員会は、ポール氏が率いる上院国土安全保障・政府問題委員会の傘下に置かれている。同委員会は先週の公聴会に先立ち、1000ページを超えるファウチ氏の私的な日記を受け取っていた。

ジョンソン氏やポール氏が、携帯電話内の情報をすでに確認したかどうかは明らかになっていない。

下院監視委員会と州当局もファウチ氏を調査

下院の共和党側の調査担当者も、ファウチ氏に対する独自の調査を進める姿勢を示している。

下院監視・政府改革委員会の委員長を務める共和党のジェームズ・コマー議員(ケンタッキー州)は以前、ファウチ氏に関する調査はまだ終わっていないと述べていた。

コマー氏は、バイデン前大統領がファウチ氏に与えた予防的恩赦の有効性に疑問を呈している。また、委員会はファウチ氏に追加の質問を行う方針だとしているが、詳しい内容は明らかにしていない。

コマー氏は、委員会がバイデン前大統領による「オートペン=自動署名機を用いた恩赦」をめぐり、すでに幅広い調査を行ってきたと指摘した。

同氏は次のように述べた。

「ファウチ博士の日記が公開された以上、本来であれば前の議会の会期中に下院監視委員会へ提出されるべきだった日記について、同氏が以前、当委員会で行った証言を今も維持しているのか確認することになる」

ファウチ氏は州当局による調査にも直面している。フロリダ州とアラバマ州に続き、ルイジアナ州も、感染拡大の期間中におけるファウチ氏の行動をめぐる調査に乗り出した。

連邦政府による恩赦は、州法に基づく訴追の可能性を排除するものではない。

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