仏大統領、外出制限発表 新型コロナで「戦争状態」

[パリ 16日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせるため、買い物や通勤を除き外出を厳しく制限すると発表した。また、フランスは新型コロナとの闘いで「戦争状態にある」とし、患者の搬送に軍を出動させる方針を明らかにした。

外出制限措置は少なくとも2週間実施される。

マクロン大統領はテレビ演説で、17日正午(日本時間同日午後8時)から、食料品の買い物や通勤、医療機関の受診、運動を除いて外出を控えるよう指示し、違反者は処罰すると述べた。

また「われわれは戦争状態にある」とし、「直面しているのは他の国や軍ではない。敵はすぐそこにいる。敵は見えないが、前進している」と警鐘を鳴らした。

カスタネール内相は、外出を取り締まるため約10万人の警官を動員し、全土に検問所を設置すると明らかにした。

マクロン大統領は、政府による先の警告にもかかわらず多くの市民が週末に公園や街に集まり、自身や他者の健康を危険にさらす状況が見られたため、一段と厳しい措置が必要になったと説明した。

フランス国内の感染者は6600人を超え、死者は148人に達している。

病院への患者搬送には仏軍兵士が動員され、大規模なクラスター(感染者の集団)が発生している東部アルザス地方には軍の病院が設けられる。

マクロン大統領は、22日に予定していた統一地方選の第2回投票を延期する方針も明らかにした。

企業支援を巡っては、政府が3000億ユーロの融資を保証すると表明。財務省関係筋によると、数週間以内に議会に法案が提出され、遡及適用が認められるという。

大統領は、小規模事業者が賃料や公共料金の支払いを先送りできるようにする方針も示し「規模にかかわらず、いかなる企業も破綻のリスクにはさらされない」と強調した。

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